過去ログ - 唯「ボディがお留守だよ!」
1- 20
603:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:18:36.23 ID:tyHtWWkAO
 彼女は護る為に傷付ける覚悟を決めた。
 どれだけ鍛練を積もうと弱冠十七、十八歳の少女が人を殺める覚悟を決めるのは容易ではない。
 それでも彼女にはやらなければならない理由があった。
死の淵から自分を救ってくれた先人の為に、これからを共に歩く仲間の為に、絶望を切り裂いて光を見出す。

以下略



604:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:19:06.06 ID:tyHtWWkAO
加藤「…………」

 女子高生の戦闘集団の中にこれほどえげつない伏竜が潜んでいたとは思わなかったのだろう。
加藤は身震いを抑える事に必死だった。
 奇襲の手際、気配の隠蔽、どれをとっても超一流の使い手である事は直ぐ分かる。
以下略



605:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:19:33.84 ID:tyHtWWkAO
 表情、動作には現れなかったものの後藤は驚愕した。
自身の青の闘気を操る力の裏に隠していた切札が筒抜けになっている。
それは自分の敗北を意味していた。

加藤「…………」
以下略



606:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:20:01.97 ID:tyHtWWkAO
 この質問に対する答えによって加藤がしずかに与えるものは大きく変わる。
 右手を上げてしずかに与えるのは信用。
自分がしずかにとって取るに足らない相手である事を吐露する事と同義なのだ。
 左手を上げてしずかに与えるのは恐怖。
忍ばせた毒は確実に敵を殺す引き金になるだろう。
以下略



607:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:20:30.24 ID:tyHtWWkAO
 姫子を想うと今直ぐ加藤を殺してやりたい衝動に駆られる。
 唯を想うと最善を追おうとする理性が働く。

しずか「何で……」

以下略



608:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:20:56.96 ID:tyHtWWkAO
加藤「…………」

 加藤は口角を歪めて目を細め、舌を出して微笑んだ。
その醜悪な笑みはしずかには見えない。
それが滑稽に思えて加藤は更に顔を歪める。
以下略



609:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:21:24.58 ID:tyHtWWkAO
 腕を震わせながら右手を上げる。
そして加藤は遂に口を開いた。

加藤「……すまなかったと思っています」

以下略



610:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:21:53.08 ID:tyHtWWkAO
加藤「どうすれば……。私は罪を償えるのでしょうか?」

 そっと頭を後ろに逸らすと童顔の可愛らしい少女が加藤の視界に映った。
少女は固く結んだ唇を緩ませ、そっと目尻を下げて微笑む。

以下略



611:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:22:22.73 ID:tyHtWWkAO
 しずかの頬に涙が伝い、加藤の額に落ちた。

しずか「女狐、人でなし、鬼畜生、好きなように呼んで良いよ。だって私は……」

 加藤の視界からしずかの姿が消えた。
以下略



612:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/02/05(土) 21:22:51.21 ID:tyHtWWkAO
しずか「姫子……」

 しずかは変わり果てた姫子の横に座り込んだ。
そっと明るい髪の毛を撫でると姫子はびくりと跳ね上がった。

以下略



1002Res/468.35 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice