773:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:38:25.67 ID:Dar58s6AO
空間が裂け、斬撃が飛び交い、氷柱が飛散する。
だが怒りのままに振るった刃が憂に到達する筈もなく、逆に澪の視界を濁らせるだけだった。
憂「何度でも言いましょう」
774:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:38:56.68 ID:Dar58s6AO
憂「死んじゃえば?」
空いた手で澪の胸を円を描く様になぞった。
澪「んぐっ──!?」
775:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:39:25.07 ID:Dar58s6AO
憂「お姉ちゃん……?」
漆黒の瞳で彼女を見つめ、驚きの表情を浮かべる憂。
唯「……おうよ、原初を駆ける黒龍。その姉は世界中の何処探したって私しかいねーだろうが……よっ!」
776:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:40:08.11 ID:Dar58s6AO
肩で息をする彼女は傍から見ていても辛いものがあった。
澪「唯……?」
胸の歪な膨みが消えたのを確認すると澪は彼女の肩に手をかける。
777:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:40:39.33 ID:Dar58s6AO
俯いた状態で彼女は大きく舌打ちをした。
唯「私は会いたくなかったよ……」
憂「お姉ちゃん! 私とっても良い事思い付いたの! きっとお姉ちゃんも喜んでくれるよ!」
778:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:41:20.05 ID:Dar58s6AO
拠り所を求める矮小の現れなのか、澪は彼女の肩を更に強く掴む。
澪「唯? お前は唯じゃないのか!?」
滑稽な事は重々理解していた。
779:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:41:53.61 ID:Dar58s6AO
両手を広げ、憂はつかつかと歩み寄ってゆく。
青褪めた顔を上げると彼女は憂をきつく睨み付けた。
唯「……テメーが出張る理由は何だ」
780:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:42:27.09 ID:Dar58s6AO
人形のような歪で色が無い表情が悲哀の色に変わる。
憂「でももうそれもお終い。この器には私の力を受け入れるだけの容量があるからね」
黒い稲妻が瞬く。
781:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:43:00.09 ID:Dar58s6AO
力を使い果たした彼女には虚勢を張る余裕も無い。
穏やかに聞こえる口調の中には弱々しさが入り交じっていた。
唯「そんな感情に縛られるのはもう止めてくれよ……。お姉ちゃんは復讐なんて望んでないからさ」
782:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/03/01(火) 00:43:35.77 ID:Dar58s6AO
再び蝶番が鳴り、重々しい門が勢い良く開いた。
扉の奥に拡がっているのは黒い稲妻が満ちた色の無い空間だった。
憂「今直ぐ滅ぼしたりはしないよ。お姉ちゃんが味わった苦痛を世界にも教えてあげて、じっくりじっくり壊すんだ」
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