過去ログ - 佐天「嫁にして下さい!」 一方通行「ゴメン、ちょっと待って」
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533
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貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:10:00.93 ID:TW5Selw0
邪悪な笑み、敵意と愚弄で塗り固めたせせら笑い。
少年からもたらされる空気の変化に気付いたのは集団の前面に立つ者達。
学園都市の夜を這いずり回る彼らが持ちえるスキルが後ずさらせる。能力も持たない、誇りも持たない、生き甲斐も持たない。
そんな彼らが、夜の学園都市を這いずり回る上で必須のスキル、それは強者と弱者の嗅ぎ分け。
その嗅覚が数において圧倒的に優位に立つ彼らの足を前にではなく、後ろに下がらせた。
以下略
534
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:11:00.09 ID:TW5Selw0
「怒るなって。可愛い顔が台無しじゃねぇか。だってよ、仕方が無いだろう?」
窓枠から腰を上げると、垣根は身体を伸ばす。
まるで柔軟体操をするように肩をまわしながら、ダルそうに佐天に近づく。
以下略
535
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:13:51.57 ID:TW5Selw0
「けどよ、本当なんだぜ?俺はアイツにズッダズダにされてぶち殺された。いやぁ、それよかヒデェな。
脳だけにされちまってわけのわかんねぇ実験に使われてたんだからよぉ…ま、こうして生き返れたわけなんだがな」
「それでお返しっていうわけですか?第二位が第一位に勝つには人手を集めて人質まで取らなきゃ無理なんですね」
以下略
536
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:15:24.82 ID:TW5Selw0
怒りと、憎悪と、苛立ちと、敵意と、殺意と、嫌悪を存分に秘めた声が夜の気配に溶けて行く。
声は低く、決して大きくは無いというのに、その声はどこまでも通っていくように、部屋の隅々にまで届く。
垣根の頬をぴりぴりとした細かな痛みが走る。まるで小さな針で顔を撫でられているような圧迫感。
「唐突にしゃしゃってきた悪役ってのはよォォ相場が決まってンだよ。小物かかませ犬かってなァァ……テメェの場合は両方か」
以下略
537
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:17:52.89 ID:TW5Selw0
一方通行は瞬間的に足元のベクトルを操作し、佐天を引き寄せた。
佐天を胸に抱き上げ、紅の光芒が真っ直ぐに垣根を射抜く。
抱き上げられた佐天には何が起きたのか理解出来ていない。ただ、ひとつわかるのは、彼が自分の為に怒りを露わにしているということ。
不安と恐怖と、痛みから解放された反動のように、佐天は弱々しく一方通行の胸元の裾をぎゅっと握り締める。
以下略
538
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:18:57.00 ID:TW5Selw0
頬を染めながら見上げた佐天は、表情を凍りつかせた。
一方通行の顔が、硬く、悲壮な色を浮かべていたのだ。
「あ ―――…」
以下略
539
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:20:53.75 ID:TW5Selw0
まるでゲームのようだ。不謹慎なのを承知でそう思ってしまう。
羽を生やした男と、白い髪の少年がぶつかる度に建物全体がゆすぶられているような。
レベル5の力を目の当たりにしたのは初めてではない。
御坂のレールガンを見た時の衝撃は未だに色あせることがない。
以下略
540
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:21:56.36 ID:TW5Selw0
垣根は一方通行の先を読み。
一方通行は垣根の先の先を読む。
垣根は即座にその更に先を幾通りも読み。
以下略
541
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:23:53.42 ID:TW5Selw0
「おいおい、危ねぇんじゃねぇの?涙子ちゃんに危うく当たっちまうところだったぞ?もっと気張れよ第一位」
「ハッ……テメェがあんまりスットロイから眠りそうになってたンだよカス。生き返り立てて垣根クンは調子が出てないンじゃねェのかァ?」
以下略
542
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:25:39.49 ID:TW5Selw0
「一方通行さんッ!!」
悲痛な佐天の叫び。一方通行の膝から下が崩れ落ちる。
以下略
543
:
貧乏螺子
◆d85emWeMgI
[saga]
2010/12/29(水) 01:27:26.76 ID:TW5Selw0
「……そォか……このビル…どォにもおかしいと思ったが……」
「ようやく察してくれたかよ」
佐天に支えられながら立ち上がろうとする一方通行の腹に垣根の硬い靴のつま先が突き刺さる。
以下略
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