90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:02:43.36 ID:wis7kfEAO
「どうしたのだ呆気にとられた顔などして。私が涼宮さんの異常に気付いたのがそんなに意外か?」
そういやそれも意外と言えば意外か、朝倉はクラスメートの中ではわりとハルヒと親しい方だがそれは朝倉が誰とでも話して親しくするタイプだからややクラスで孤立しているハルヒと話す回数が他の人間に比べて多いだけの話だ。格別にハルヒと親しいわけではない。
「なに、わかりやすい話だ。今日の彼女は元気過ぎる。自分から転校生の勧誘に向かい、授業中に手を上げて発表し、君が気付いているかは知らんが普段よりも遥かに積極的に女子グループとも関わっていた」
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:05:12.92 ID:wis7kfEAO
「前回の髪型事件然り、今回の一件もまた然り。君にとっての何気ない一言が彼女を掻き乱す。しかしそれでも世界に大きな異変がないことからも彼女が如何に自らを抑圧しているのかがうかがえる。やはり消してみるしかないものなのか?」
「なんの話だよ」
「君が解る必要はない、が。どうしても知りたければ長門さんにでも訊いてみろ。そろそろ彼女もその時だと感じているだろう」
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2011/02/11(金) 00:06:37.27 ID:wis7kfEAO
朝倉と別れた俺はハルヒの先に部室に行っててという言葉を思い出し、そのまま部室へと向かった。
教室で色々やっていたせいでひょっとしてハルヒより後になってしまったかとも思ったが杞憂だったようで、部室にはいつも通り読者中の長門となにやら大荷物を抱えた朝比奈さんの二人がこれまたいつも通りに一言も口をきかずに待機していた。
「あらキョン君、良いところに来たわね。お茶淹れてちょうだい」
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2011/02/11(金) 00:08:21.00 ID:wis7kfEAO
――その瞬間、部室の空気が一瞬で変わってしまった気がした。
「ふーん、やっぱりこうなるんだ。色々いじってみても結局大きな道筋は変えられない。だとすると、果たしてこの歪な世界の結末には何があるのかしらね? 長門さん」
「さてね、それを僕に訊くのかい? 全てを見続けるだけの僕に。」
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2011/02/11(金) 00:09:50.88 ID:wis7kfEAO
堪えがたき沈黙に堪えること五分。
待ち望んだ女神が余分なオマケと一緒にやってきた。
「大変長らくお待たせして申し訳ありませんこれも単にあたしの不徳といたすところで……」
95:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:11:30.85 ID:wis7kfEAO
「ここはSOS団よ。あたしが団員その四の朝比奈みくる。涼宮さんはもう知ってるわね? あの眼鏡娘はその三で彼がその二。仲良くしましょうね」
異常な食いつきのよさで転校生……古泉一樹に話しかける朝比奈さん。
「あ、お茶飲む?」
96:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:13:38.44 ID:wis7kfEAO
「あー、……なにをする団なんだっけ?」
朝比奈さんが俺に訊く。
「さあ? 長門、お前はわかるか?」
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:16:37.88 ID:wis7kfEAO
てのは流石に嘘だが俺以外の全員は完全に動きが停止していた。
朝比奈さんはいつもの余裕も色気もない顔で口を開けたままポカンとし(そんな表情でもかわいらしく見えるんだから元がいいと特だよな)
長門は長門でいつもと同じポーカーフェイスかと思いきや、目を思いきり見開いて長門なりに驚いているようだ。
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:18:47.43 ID:wis7kfEAO
いいさ、俺はSOS団団員その一キョンだよ。本名なんかどうだっていいさ。
「どうかしたの?」
いやなんでもない、気にしないでくれハルヒ。
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:20:23.19 ID:wis7kfEAO
あれ、朝比奈さん持っていた謎の大荷物を置いていっちまったぞ?
「ああそれは何やら使う予定があるから置いていくそうだ」
「そうか……ってお前朝比奈さんと話したのか?」
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/02/11(金) 00:21:41.58 ID:wis7kfEAO
「ところでキョン、君はなにかしらの告白をされる際には電話か手紙ならどっちがいいかな?」
「なんだよ藪から棒に。……その二つなら手紙かな?」
「ふむ、そうか……ならばこれをくれてやろう」
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