過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」
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345:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:37:57.36 ID:6dTTluKVo

「疲れた……」

幾多もの検査を終えた上条は、戻ってきた病室のベッドの上でぐったりとしていた。
用途の分からない大きな機械に囲まれる病院の検査は、びっくりするほど神経をすり減らすものだ。
以下略



346:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:38:32.69 ID:6dTTluKVo

「────以上が、私たちの知り得る全てです」

知る限りすべてを話し終えた神裂が、再び頭を深く下げる。

以下略



347:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:39:35.81 ID:6dTTluKVo

その問いに、神裂は答えに詰まる。
例えば上条当麻がインデックスの生命と宿命を救い、代わりに彼の人格が死んだ夜の出来事については、彼の自発的な行動と言っていいだろう。
上条当麻にはインデックスを見捨てる、または大人しく神裂らの手に引き渡すと言う選択肢もあった。
だが彼はそれを良しとせず、抗い、戦い、そして「死んだ」。
以下略



348:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:41:25.29 ID:6dTTluKVo

そんな神裂の心中を察したのだろう。刀夜は柔らかい笑みを神裂に向ける。

「……そんな顔をしないでください。
 あの子は逃げなかった。つまり、戦うことを自分で決めた。そう言うことなのでしょう。
以下略



349:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:42:38.58 ID:6dTTluKVo

「例えば、借金に追われ破れかぶれになった男に、包丁で刺される。
 例えば、風に煽られた看板が、あの子の上に降ってくる。
 例えば、青信号で横断歩道を渡っているところに、居眠り運転の車が突っ込んでくる。
 ……一生のうち、こんな目に何度も遭うと思いますか?
以下略



350:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:44:27.54 ID:6dTTluKVo

「当麻さんが大怪我をする回数は減ったわけではありません。
 だけどもそれは、以前のように単にあの子が不運だから、というわけではないんです。
 聞くところによると、不良に絡まれていた見ず知らずの子を助けて代わりに殴られた、というパターンが多かったそうです」

以下略



351:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:45:56.16 ID:6dTTluKVo

「……夏休みの終わりごろかな、家族で海に行ったんです。
 その時、当麻がしばらくいなくなったことがあって、家族みんなで探して回ったんです。
 いつの間にか帰ってきたと思ったら、物凄い剣幕で私に詰め寄って、何事か良く分からないことを口走って。
 まぁ、その内容は今も良く分からんままなのですが」
以下略



352:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:47:04.68 ID:6dTTluKVo

「……とにかく、その時から、私はあの子は既に一人前になった、と考えるようになりました。
 もう親にどうこうされるのではなく、自分の考えと価値観でちゃんと立って生きている。
 だから、あの子が考え、選び、行動した結果なら、私は何も言わない。
 ただ、それを優しく受け止めてやるだけです」
以下略



353:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:48:32.96 ID:6dTTluKVo

結局、上条夫妻は一度も神裂のことを責めなかった。
彼女だけではなく、魔術サイドの誰に対しても、恨み事は吐かなかった。
中には理不尽とも言える仕打ち(神裂個人としては、償いきれるものではないと思っている)もあったにも拘らず、だ。

以下略



354:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:49:46.80 ID:6dTTluKVo

その夜。
第三学区は外部から学園都市を訪れた客をもてなす、外交の場として有名だ。
当然施設はどれも超一流であり、学園都市の『顔』と形容するに相応しいたたずまいである。
そんな第三学区の片隅に、その瀟洒な個室サロンは存在した。
以下略



355:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(千葉県)[sage saga]
2011/04/17(日) 02:51:58.19 ID:6dTTluKVo

「今『グループ』が担っているオシゴトは二つある。
 一つは、『超電磁砲』の体細胞クローンの作製計画の撃滅、及び『超電磁砲』のDNAマップやクローン技術の拡散阻止」

一枚目の資料の表紙には、『第三次製造計画について』と書かれている。
以下略



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