過去ログ - 火憐「兄ちゃん、あんま無茶ばっかすんなよな」
1- 20
20: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:54:10.26 ID:2i3mHfds0
「何言ってんだよ。聞く気あるから来てるんじゃねーか」
「そうだよ、お兄ちゃん、いっつも勉強ばっかなんだから、寝る前くらいしかお話なんてできないじゃない」

 揃って頬を膨らませる火憐と月火。お前らリスか。
とはいえまあ、そういう風に言われてしまうと、これ以上文句をつけるのも憚られるのだけれど。
以下略



21: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:55:40.94 ID:2i3mHfds0
 004.

 とまあ、ここまで散々ぐちぐちと文句を言ってはきたけれど。
火憐と月火が、こうして僕に我儘を言うようになってきたこと、それ自体は良いことだと思っている。

以下略



22: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 00:57:38.31 ID:2i3mHfds0
 良くも悪しくも、火憐と月火はファイヤーシスターズとして名を馳せてしまっており、確かにこいつらの属するコミュニティにおいて、頼られる存在としてその立ち位置を確立させてしまっている。
それこそまあ、実情を色々知っている僕からすれば信じたくないことなのだが、皆の憧れ、羨望と尊敬の視線を注がれているとまで聞く。
これは二人が自ら言っていた通りであり、すなわちそれをしっかりと自覚しているということであり、故にこそ、そのイメージを崩すような言動は、取りたくとも取れないのが現状だ。

 中学生の時分は、まあそれでもいいかもしれない。
以下略



23: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:00:25.20 ID:2i3mHfds0
 閑話休題。
とりあえず、さっさと着替えて、とっととベッドに潜り込む。
これでぱっぱと話を終わらせられれば、まあ楽ではあるのだけれど。
そうは問屋が卸さない。
仮に問屋が卸してくれても、火憐と月火が卸してはくれないのだ。
以下略



24: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:01:55.06 ID:2i3mHfds0
 さて、三人で話そうとは言ったものの。
今更改まって話さなければならないことがあるわけでもないし、さりとて別に話したくないことがあるわけでもないし。
文字通り日常の一頁でしかないこんな一時に話すことなんて、本当に些細なことしかなかった。

 けれど、それで良いのだ。
以下略



25: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:04:26.63 ID:2i3mHfds0
 不幸中の幸いは、それが僅か三分の一に留まったことであり。
幸い中の不幸は、その三分の一に、極めて残念なことに、この僕が当選してしまったことである。

 お年玉年賀はがきだってまともに当たらない僕なのに、こういうネガティブなことはしっかり引き当ててしまう。
これはちょっとお祓いにでも行った方がいいのかもしれない。
以下略



26: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:06:16.13 ID:2i3mHfds0
 005.

「兄ちゃんが馬鹿じゃなかった?!」
「違うよ、火憐ちゃん、残念だけど、馬鹿でも風邪を引くっていうことなんだよ、きっと」
「そうか!」
以下略



27: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:09:16.97 ID:2i3mHfds0
「お前もしんどいのか」
「しんどいというよりも、何じゃろうな、気分が悪い」
「あー、僕、今まさに頭痛のピークな感じだしなあ」

 冗談ではなく気分が悪そうな忍と、冗談みたいに気分が最悪な僕と。
以下略



28: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:13:05.72 ID:2i3mHfds0
「しかし耐え難いの、この不快な気分は。まるでお前様の舐め回すような視線に延々と晒され続けているが如き悪寒と嫌悪。実に不愉快じゃ」
「僕の方がな!」

 とりあえず僕を罵倒する方向で愚痴るのは止めて欲しい。
僕だって風邪を引きたくて引いたわけじゃないんだ。
以下略



29: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:15:13.87 ID:2i3mHfds0
「まだ朝早いけど――まあゆっくり行けば、その内に開店時間になるか」
「早う行くぞ。ミスドは待ってくれん」
「お前の中のミスドはどんだけ短気なんだよ。つーかまだ開いてないって言ってるだろ」

 待てないのは、ミスドじゃなくて忍だろう。
以下略



30: ◆/op1LdelRE
2011/03/20(日) 01:16:23.42 ID:2i3mHfds0
「じゃあ忍、影に入ってろ」
「着いたら知らせよ」
「わかってる」

 そんなやり取りを交わしつつ、とりあえず書き置きだけは残しておくかと一筆したためることにする。
以下略



241Res/178.78 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice