51:>>1[saga]
2011/03/31(木) 21:09:10.97 ID:fHikxmWh0
心底申し訳なさそうに彼女が頭を下げる。僕にとってまるっきり無駄だったわけでもないし、夏休みは長い。さりとて気にすることもないはずだ。
「いいよ。それより、送っていこうか?」
「大丈夫です。それに、今日は少し寄りたいところがあるので」
「わかった。じゃあ、次はまた来週の今日かな」
52:>>1[saga]
2011/03/31(木) 21:10:06.02 ID:fHikxmWh0
では今日はこの辺りで。
明日も21時辺りを予定しています。
53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/03/31(木) 21:35:16.62 ID:GfgkKPq6o
おーつ
魔王の誘い受けたのか秋川ww
54:>>1[saga]
2011/04/01(金) 20:59:52.22 ID:OpoHLyR10
この時間に投下すると言ったな。
あれは嘘だ。
55:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:01:38.15 ID:OpoHLyR10
冬森さんからのメールがこないまま、三週間近く経過した。
流石に渡された分は全部描き上げてしまっているし、なにより夏休みの終りがいい加減見えてきた。さらに言えば心配にもなる。
何かあったのか聞こうと思ったけど、変なプレッシャーになってもまずいとそれもできずにいた。焦燥感だけが募っていくなか、無情にも時は過ぎていく。
文化祭までは夏休み明けからまだ一週間は猶予がある。まだ時間はある。まだ。しかし、それにしたって、モノが完成しなければどうにもならない。
冬森さんが一体どういう状況にあるのかどうにか知りたかったけれど、彼女と一番親しいであろう春野さんのアドレスは知らず、夏原は論外だ。
56:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:03:07.03 ID:OpoHLyR10
翌日。
教室に冬森さんはいたのだが、どうにも暗く沈んでいるように見えた。
そのせいでなかなか話しかけることができず、春野さんも少し困ったように僕に話す。
「ごめんなさい。こればっかりは、私も力になれない。夏原君もね」
57:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:05:58.02 ID:OpoHLyR10
放課後。
そそくさと逃げるように帰ろうとする冬森さんに声をかけた。
僕の出現に、冬森さんは心底困ったような、怖がっているようでいて、悲しそうな様子でもあった。
複雑な感情が混ざり合って、溶けてしまったようなそんな顔だ。僕は、どこか後ろめたいものを感じながらも口を開く。
58:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:09:18.93 ID:OpoHLyR10
気がつけば、市内の中心部にたどりついていた。
冬森さんの姿がまだ見えない。ここまで走って見えないなら、見当違いの場所にいるのかもしれない。
冬森さんの場所がわかって走っていたわけでもないんだ。その可能性は十分考えられる。
一旦、夏原と連絡を取ろうと携帯電話を取り出そうと――そう、したとき。
はっきりと、彼女の姿が見えた。ビルとの隙間にある、細い路地裏。黒い影が彼女を取り囲むようにしている。何やらひどく揉めているらしい。
59:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:11:05.17 ID:OpoHLyR10
「耳が聞こえませんか? 僕の連れだと言ったんですよ。だからその汚い手をどかしたらどうです?
日本語わかりますか? わかりませんね、だかわわかるように言ってあげます。さっさとどこかへ行けと言ってるんですよド低脳」
今まで使ったことのない、汚い罵詈雑言の類。聞き慣れてはいるが、言うのは思えばひどく久しぶりな気がする。
噛むこともせず、自分でも驚く程すらすらと言葉が出た。僕よりも驚いたのは彼らだ。明らかにひ弱な目の前の人物が、思い切り挑発してきている。
60:>>1[saga]
2011/04/01(金) 21:17:21.48 ID:OpoHLyR10
では今日はここまで。
この時間に投下するのが嘘だといったな。
あれも嘘だ。
61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/04/01(金) 21:23:59.21 ID:oA15g2f/o
なんだ嘘か乙
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