過去ログ - QB「魔法少女の軍事利用だって?」
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38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 19:40:48.92 ID:12Scx6eE0
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2011/06/06(月) 19:41:17.58 ID:12Scx6eE0
その日、ナタリーは軍服姿の男に付き添われ、泣きながら帰ってきた。
十五歳となり、目標であった結界探しの任を与えられた初仕事の帰り。
初陣の勝利の報告を、いつもの自慢話のように聞けると思っていたエマは、
ナタリーに声をかける事も出来なかった。
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2011/06/06(月) 19:42:19.58 ID:12Scx6eE0
「ナタリーは、目の前の多くの死に動揺しています。
あなた達、魔法少女のソウルジェムは、絶望を感じる事によっても
魔力を消耗してゆきます。」
「魔法少女の魔力が尽きてしまったらどうなるか・・・
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2011/06/06(月) 19:42:50.07 ID:12Scx6eE0
ナタリーの家の前に着くと、まだ電気が点いていない事に
エマは気づいた。どうやら先回りしてしまっていたらしい。
彼女には家族がいないため、彼女が戻らないと、光が灯る事はないのだ。
玄関の前で少し待つと、やがて通りから彼女の姿と、先ほど見た軍服の男が
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2011/06/06(月) 19:43:18.50 ID:12Scx6eE0
どのくらいの時が経ったであろう。ナタリーは私から少し離れ、
涙を拭った。
「ありがとうエマ。もう、大丈夫だから・・・」
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2011/06/06(月) 19:44:05.59 ID:12Scx6eE0
昨日の今日で忘れるわけにはいかないだろう。
エマもそれくらいは理解していた。表情はまだ曇りがちな
ナタリーではあったが、それでも昨日よりは笑顔が増え、
いつもの元気をエマに見せてくれようとしていた。
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2011/06/06(月) 19:44:40.37 ID:12Scx6eE0
軽いハグをして、別れる。エマが振り返り、
家への道を数歩だけしか歩かないところで、
ナタリーがエマの背中へ向けて声をかけた。
「私、軍属になろうと思ってるの。」
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2011/06/06(月) 19:45:17.67 ID:12Scx6eE0
「じゃあ、絶対死なないって私と約束できる?」
「絶対なんて・・・それは分からないけれど。」
「それじゃあだめ。ナタリー一人を兵隊にするなんて、
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2011/06/06(月) 19:45:53.37 ID:12Scx6eE0
こういう言い方をする子ではなかった、とエマは驚く。
同時に、ナタリーの手を掴もうとした。
その手は肝心のナタリーの手によってはじかれた。
静かな通りに、小さく「パン」と響く。
47:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 19:46:24.97 ID:12Scx6eE0
涙がこぼれる理由は、罵倒に耐えられなくなったわけではない。
二人とも、お互いの心の内くらいはわかる、親友なのだ。
ナタリーの決意を崩す事が出来ない。協力してあげる事さえ出来ない。
このような無力感を味わった事は、エマはこれが初めてであった。
48:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2011/06/06(月) 19:47:43.65 ID:12Scx6eE0
次の日も、エマは学校を休んだ。両親は何があったのか分からず、
エマを元気付けようとするが、それは無駄な努力だった。
その次の日も休みたかったが、このままでは何も始まらない、と
自身に言い聞かせ、覚悟を決めて学校へ向かった。
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