過去ログ - 御坂「前略、いとしアナタへ」
1- 20
1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 21:35:52.30 ID:wRbJl8PA0

 「前略、いとしアナタへ」


 手紙に紡がれる流暢な文字をゆっくりと視線で追う。

 大事に大事に。一文字ずつに込められた想いと記憶を手繰り寄せて、女性は文を読みあげる。
 
 綴られた想いが音となり詩となり、風に乗り遠く彼方のいとしアナタのところへ届くことを信じて。


 (どうか、届いて)


 木枯らしの擦れよりも小さな声にしかしてやれないけれど。

 どうか、彼女の願いが、いとしアナタの元へ辿りつきますように。



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 21:40:49.45 ID:wRbJl8PA0
 ◆

 湧き上がる鼓動は、決して嘘なんかじゃないのです。

 ― ver ミサカ ―
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 21:44:51.86 ID:wRbJl8PA0

 寸分の狂いもない同一の遺伝子を持つ自分達は、通称『妹達(シスターズ)』と呼ばれ、

 量産型軍用クローンとしての商品価値を基に『製造』された実に人工的な生物だ。

以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 21:47:15.01 ID:wRbJl8PA0
 
 現在、そのおよそ半分がこの世に存在せず、およそ半分が短いと思われる生にしがみついている。

 有機物の生命なのに無機物の感情しか持ち合わせていなかった自分達だが、八月末日の実験終了を機に『新たな生』を手に入れた。

以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 21:53:36.71 ID:wRbJl8PA0
 ◆

 「……はふぅ」

 思春期オーラを全力で放つ桃色吐息が聞こえてきたのは、
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 22:00:19.02 ID:wRbJl8PA0

 「なんですか。その砂糖より甘ったるそうなため息は、とミサカは間抜け面を晒すミサカ一〇〇三二号に話しかけます」

 「……ほへぇ」

以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/06/19(日) 22:04:02.70 ID:7KRgBQHVo
期待


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 22:12:48.58 ID:wRbJl8PA0

 普段からあまり焦点の合わない瞳をさらに何処かに飛ばしている、もう一人の『自分』――ミサカ一〇〇三二号――は放っておいて、

 未だに己の前に立ちはだかる敵と向き合うためにスプーンを持ち構え直す。

以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関西地方)[sage]
2011/06/19(日) 22:17:22.27 ID:IoyJ/Mj2o
「」の後ろにバキッとかないうえに地の文まであるssは久しぶりだな


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 22:22:57.05 ID:wRbJl8PA0
 
 正午過ぎ――。正しく言えば一二時〇八分に注文し、一二時一三分に品物が自分の手元へと運ばれてきた。

 それからチマチマちまちま食べ進めてようやくこの量まで敵を追い詰めた経緯を思い返す。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/06/19(日) 22:38:40.74 ID:qObtOY+o0
愛しいとか愛しきとかじゃなくていとしなの?


12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 22:40:15.53 ID:wRbJl8PA0
 五分後。


 「……あの、大丈夫ですか? とミサカは屍と化したミサカ一〇一〇一号に恐る恐る尋ねてみるのですが……」

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 22:50:37.40 ID:wRbJl8PA0

 「お水」

 「へ?」

以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 22:51:58.67 ID:wRbJl8PA0
 「お水」

 「へ?」

 「お水を貰ってきて頂けると有難いです、とミサカは要請します。ヘルプミー」
以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 23:05:19.28 ID:wRbJl8PA0

 「心配してるのか更に陥れようとしてるのかどっちかにせーい…、とミサカは弱弱しくもツッコミ精神だけは忘れません」

 「1辛でも食べたんですか? 辛いモノ苦手でしょうに」

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 23:12:23.04 ID:wRbJl8PA0

 馴れないのに無理して食べた劇物のせいで火照った身体に、つっぷした机のひんやりとした温度が沁み入ってくる。

 激闘の後の疲労感をも癒す気持ちいいについ身を委ねそうになる。

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(関東・甲信越)[sage]
2011/06/19(日) 23:20:52.14 ID:L208w8tAO
はいはい ブクマ ブクマ



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 23:21:44.81 ID:wRbJl8PA0

 (ん? んんー?)

 
 妹達とはすなわち『同一』である、と解釈してほぼ問題ない。
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 23:30:19.70 ID:wRbJl8PA0

 (……、抜け駆け?)

 
 抜け駆けと言えば。
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/19(日) 23:50:44.07 ID:wRbJl8PA0

 つい先日の会話だっただろうか。


 『ミサカ一〇〇三二号だけズルイです、とミサカ一一三〇五号はぶーたれます』
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/06/20(月) 00:00:47.71 ID:8OnljcsQ0
 
 (あ、そうだ。そういえばそんな事がありました、とミサカは記憶の発掘に成功した事を確信します)

 
 さして値もしないペンダントの事で騒ぎ過ぎだろうと思い
以下略



61Res/33.92 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice