過去ログ - 美琴「極光の海に消えたあいつを追って」2
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882: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:10:45.29 ID:fiKeJx/Ho

地下4階・通路。

 『油性兵装』の眼前には、階層の崩落によってできた大きな穴が口を広げていた。
一方通行と衝突した『複合手順加算式直射弾道砲』はその弾道を大きく反らされ、施設内を真下へ一直線に突き抜けた。その痕跡だ。
以下略



883: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:11:21.07 ID:fiKeJx/Ho

 超音速で駆け抜けた巨大な『破城槌』が残した破壊の痕跡は、その威力の高さをありありと見せつけていた。
大穴の断面はひしゃげた鉄骨がはみ出ていたりと言うことはなく奇妙に滑らかで、『油性兵装』は特に苦労することもなく能力を駆使してその穴を降りて行く。

この研究所は第7階層を境として『上層』と『下層』に区別され、上下でその構造を大きく変化させる。
以下略



884: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:12:07.62 ID:fiKeJx/Ho

「がぁッ!?」

 まず彼女が知覚したのは、背中から伝わる『痛い』という神経の悲鳴だった。
遅れて装甲の外部で何かが砕けた音を認識する。
以下略



885: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:13:28.66 ID:fiKeJx/Ho

「1つ教えろよ」

 交錯の中、一方通行が問う。

以下略



886: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:14:08.61 ID:fiKeJx/Ho

 『油性兵装』の周囲の床や壁がグズグズに溶け出していく。
それに連動して、空気中に黒い靄がかかり始める。
気化した可燃性オイルの充満。着火すれば容赦なく周囲の空間を焼き払うナパーム攻撃。

以下略



887: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:14:50.60 ID:fiKeJx/Ho

 強さを求めて戦って、後に残るのは自分か相手の骸だけ。他には何も残らない。
最終的には自分以外のすべての存在を叩き潰すか、あるいは夢半ばにして自分も死体の山の一部となるのか。末路はそのどちらかしかない。

特大の悲劇を引き起こした大馬鹿が、悲劇を引き起こしかねない馬鹿へと諭すように言う。
以下略



888: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:16:17.21 ID:fiKeJx/Ho

「……ぷっ、あはは。何それおっかしー」

 少女は笑う。哂う。

以下略



889: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:16:45.02 ID:fiKeJx/Ho

 『油性兵装』が指を鳴らし、澱んだ大気が爆炎へと姿を変える。
それすらも意に介さず黒煙の尾を引きながら飛び出した一方通行を待ち受けていたのは、宙に浮かぶ大量のオイルの滴。

(また酸素の消耗策か)
以下略



890: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:17:41.07 ID:fiKeJx/Ho

「……は?」

 至近距離で大口径榴弾が爆発したかのような、鼓膜が破れそうなほどの大轟音が巻き起こった。
間違いなく直撃はした。
以下略



891: ◆nW2JZrx2Lo[saga]
2012/03/10(土) 04:19:11.05 ID:fiKeJx/Ho

 運動エネルギーを失った『破城槌』が重力に引かれ、床へと落下し重厚な音を響かせた。

「ベクトルの操作と合成が出来りゃァ充分なもンで、分解はあンまり使わないンだがな。
 やろォと思えばこンくらいは朝飯前だっつの」
以下略



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