過去ログ - 唯「明日は恋なきものに恋あれ」
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32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:54:18.77 ID:kPL2CQfgo

「そうなんだけどさ。逆に、私が軽音部に入らなかったら、ってことも考えるんだ。私じゃなくて別の誰かがギターを弾いてて、その子が私みたいにみんなと仲良くやってるって想像をはじめると、なんか、ちょっとだけ怖くなるよ」

「こわい?」

以下略



33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:55:19.27 ID:kPL2CQfgo

私がおおむねこんなようなことを話し終えると、和ちゃんはいつもの流儀で、少し沈黙した。
そして歩きながら考え込む和ちゃんの顔を見て、『ああ、私は好きだなあ、この顔が』と思った。
そしてその感情が特別なものだと知った。
今まで話したことと矛盾するようだが、この感情は確かだと思った。
以下略



34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 19:59:08.32 ID:kPL2CQfgo

私がおおむねこんなようなことを話し終えると、和ちゃんはいつもの流儀で、少し沈黙した。
そして歩きながら考え込む和ちゃんの顔を見て、『ああ、私は好きだなあ、この顔が』と思った。
そしてその感情が特別なものだと知った。
今まで話したことと矛盾するようだが、この感情は確かだと思った。
以下略



35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:00:02.71 ID:kPL2CQfgo



戸惑わないということと、迷わないということは、しかし別のことだ。
こんな感情をどうすればいいんだろう?
以下略



36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:00:29.10 ID:kPL2CQfgo

初めのうち、和ちゃんのことを好きだという自覚をもって、色々な和ちゃんを観察するのは楽しかった。
「好きだ」と思ってみると、いままで見ていた和ちゃんが急に鮮やかな光を放って見えた。
和ちゃんが私の視界の中で特別に輝きだした。

以下略



37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:01:43.50 ID:kPL2CQfgo

私が迷っているのは、結局和ちゃんに嫌われたくないからにすぎない。

この思いばかりは、和ちゃんにお話しすることは出来ない。
そして待っていても自然に解消することもなさそうだった。


38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:02:30.43 ID:kPL2CQfgo



気がつけば、三年の夏休みが目前に迫っていた。
その日も和ちゃんと一緒に学校から帰った。
以下略



39:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:02:58.54 ID:kPL2CQfgo

和ちゃんは私のことを怪しんでるみたいだった。

「ねえ、唯。最近なにかあった?」

以下略



40:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:03:26.90 ID:kPL2CQfgo

それはひどく暗い考えのようだが、かえって私の心を明るくした。
諦めようと思った。
この瞬間、今日で、和ちゃんへの思いで、ふつうの友情をはみ出す部分は、すべて捨ててしまおう。
たぶん、それがいいよ。
以下略



41:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/14(日) 20:04:26.48 ID:kPL2CQfgo

あまりの唐突さに、あっけにとられて、頭の中がまっしろになる。
いったい何に笑ってるのだろう、と考えてもわからなかった。
不思議なことに、その原因のない笑いは私にも伝染して、次第に口元を緩ませ、やがて笑い声となって私の口からもあふれた。
言葉にできない瞬間だった。
以下略



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