83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/01(木) 21:42:40.33 ID:E3cKPUJ9o
「オートマ?」
「うん」
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/01(木) 21:43:09.85 ID:E3cKPUJ9o
テレビではさきほどのニュースを再び取り上げていた。気持ちの悪い事件だと彼は思う。
暴行。被害者の女性。明言はされていないが、そこにはそういうことが含まれているのだろう。
このあたりもだいぶ物騒になったものだ。彼はひとつ溜息をついた。疲れているのだろうか。頭がぼんやりする。
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/01(木) 21:45:56.24 ID:E3cKPUJ9o
眠ってはいけない、と彼は思う。でも眠っている生徒もいた。なぜ彼は眠っていて、俺は起きているのだろう?
自分の頭に浮かんだ疑問に彼は答えることができない。
それはつまりスタイルの問題なのだ。
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/09/01(木) 21:46:27.49 ID:E3cKPUJ9o
つづく
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:52:46.72 ID:mg8F6dwRo
待合室に戻る。自分はここで何をしているのだろう、と考える。いつものことだ。
学生たちの群れの中を移動しながら空いている椅子を探すがなかなか見つからない。
彼は座ることを諦めて、自販機で飲み物を買うために外に出た。ぱらぱらと雨が降りだしている。
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:53:13.92 ID:mg8F6dwRo
時間は二種類に分けられると思う。やらなければならないことをこなす時間。何もやることのない時間。
やらなければならないことがある時間には憂鬱を覚え、何もやることのない時間には退屈を覚える。
じゃあ満たされた時間はどこにあるのだろう? いつまでその二つの時間を繰り返せばいいのだろう?
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:54:00.29 ID:mg8F6dwRo
不意に肩が叩かれる。既視感が頭をよぎる。案の定、振り向いた先にいたのはヤマトだった。
腹の底で暗い感情がとぐろを巻き始める。彼に会うたびに沸くこの感情はなんなのだろう。
彼は内心の悪意を気取られぬように表情を意識的に固くした。
90:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:54:27.34 ID:mg8F6dwRo
沈黙を気まずく思い、今度は彼の方からヤマトに話しかけてみることにした。
高校生活はどうだったか、他の奴はどうしているのか。疑問は山のように湧き出てくる。
その質問のひとつひとつに、ヤマトは簡潔に答えた。
91:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:54:57.92 ID:mg8F6dwRo
◆
目を覚ますと、彼は自分の部屋のベッドで横になっていた。
92:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:55:54.33 ID:mg8F6dwRo
また、夜の街を歩く。自分はいったい何をしているのだろう、と彼は考えた。どうしてこんなところを歩いているのだろう?
前後はもう思い出せなくなっていた。彼は足を止めずに通りを歩く。誰も彼を気に留めるものはいない。
どうだろう、それでいいのではないだろうか。世間から忘れ去られて、隠者のように逃げ暮らす生活も悪くない。
93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:56:22.27 ID:mg8F6dwRo
「ねえ」
不意にかけられた声に振り返ると、レンタルショップの袋をぶら下げたハルノがいた。
夜m暇を持て余した彼女は、DVDを借りにこのあたりを歩いていたのだという。
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