93:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:56:22.27 ID:mg8F6dwRo
「ねえ」
不意にかけられた声に振り返ると、レンタルショップの袋をぶら下げたハルノがいた。
夜m暇を持て余した彼女は、DVDを借りにこのあたりを歩いていたのだという。
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2011/09/03(土) 00:56:48.28 ID:mg8F6dwRo
「ねえ」
不意にかけられた声に振り返ると、レンタルショップの袋をぶら下げたハルノがいた。
夜、暇を持て余した彼女は、DVDを借りにこのあたりを歩いていたのだという。
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2011/09/03(土) 00:57:33.14 ID:mg8F6dwRo
ウェイトレスが運んできた食事を受け取りながらハルノの話を聞く。
「でね、××××が――」
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2011/09/03(土) 00:58:01.39 ID:mg8F6dwRo
「でも結局、××××は×××に××できなくてさ」
××××は×××に××できなかった。
××××は×××に××しようとしていた。
97:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:58:33.12 ID:mg8F6dwRo
×××。
×××はそういう奴だ。彼は頭の中で×××の顔を思い出そうとした。
×××は、いつも彼が欲しがるものを容易に攫っていく。簡単そうに手に入れる。あげく、もう飽きたと言って簡単に捨てる。
98:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:59:13.68 ID:mg8F6dwRo
家につく。真っ暗な玄関の壁に触れて電気を探し、ぱちんとスイッチを押すと玄関が薄暗く照らされた。
ハルノを部屋に迎え入れて、冷蔵庫から冷やしておいた缶を二つ持っていく。
ハルノは彼の部屋に上がりこんでも飄々としていた。少し呆れながら缶を手渡す。彼女は上着を脱いでから受け取った。。
99:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:59:53.10 ID:mg8F6dwRo
昔の話だ。もう関係ない。そのはずだ。だってもう三年以上の月日が流れているのだから。
××××はもう×××に対して何も特別な感情を抱いていないだろうし、×××だって××××のことなんてなんとも思っていないだろう。
今更何かがどうなることはない。
100:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 01:00:42.80 ID:mg8F6dwRo
×××、×××。
せっかく忘れられたと思ったのに。
彼がいなくなった生活を成立させていたのに。
忘れさせるかとでも言うように×××は現れる。現れて、彼の居場所を奪っていく。いとも簡単に。
101:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 01:01:09.24 ID:mg8F6dwRo
埋める? そうだ、埋めるのはどうだろう。幸い、この家から一番近い他の家まで最短でも二百メートル以上の距離がある。
庭を深く掘って埋めれば発覚しない。そうではないだろうか? やがて彼女は土に還る。早いか遅いかの違いがあるだけだ。
頭はとても冴えていた。普段の空転しがちな思考は急に姿を消して、今はただシンプルな思考のみがある。
102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 01:02:21.86 ID:mg8F6dwRo
結局のところ、自分は××××ではなく×××に執着しているのかもしれない。
彼よりも優位に立ちたいと考えているのかも知れない。×××は××××に特別な感情を持っていないだろう。
なぜだろう? コンプレックス? なぜ? 彼に劣るところなどなにひとつないはずなのに?
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