249:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:08:58.43 ID:I4kBIWcz0
250:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:16:25.71 ID:I4kBIWcz0
憂と和が再び灰色(この)世界に跳ばされた時、そこには唯の姿は無かった。
251:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:22:35.22 ID:I4kBIWcz0
二人のいた場所から唯の気配が感じられた所まではかなりの距離があった。そして、澪らしき気配が遠退き、やがて唯の気配が消えてしまっても二人は一縷の望みを信じて必死に奔った。
252:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:26:11.15 ID:I4kBIWcz0
だが、その姉がいた証(せいふく)も、憂の泪と哀しみを吸い込みながら無情にも次第に消失していき、やがて完全に消えて無くなる。残ったのは二本のヘアピンと一台のビデオカメラだけだった。
憂「あぁ…ああ………」
253:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:31:25.89 ID:I4kBIWcz0
灰色の世界から、再び平沢家のリビング(もといたばしょ)に戻された和は、早速ビデオカメラをテレビに繋げる。
254:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:40:34.05 ID:I4kBIWcz0
唯『……ありがとう澪ちゃ――――――』
255:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:44:34.38 ID:I4kBIWcz0
唯『律っちゃんとあずにゃんと一緒に待ってるからね……』
唯はそう言って、もう一人の少女がその言葉に何も答える事無く立ち去るのを見届けると、それだけでも苦しそうにカメラの方に向き直る。
256:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:47:54.60 ID:I4kBIWcz0
唯『んん……えーまずこれを視てくれているのが、私を全く知らない人だったらごめんね……視てくれているのが憂と和ちゃんだと思って言うね……』
唯はそう言うと軽く頭を下げてから、再びカメラに目を向ける。
257:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:51:43.74 ID:I4kBIWcz0
唯『だから……和ちゃん…憂…もし澪ちゃんとこの世界で逢っちゃったとしても、出来れば戦ってほしくは無いんだ……もちろんムギちゃんともね……』
258:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/13(月) 10:59:26.56 ID:I4kBIWcz0
憂「お姉ちゃん……」
憂は既に目にいっぱいの泪を湛えて、それが零れ落ちるのも厭わずに、うんうんと何度も頷く。
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