過去ログ - 梓「ラッキープール」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:11:04.23 ID:WXt/fxCK0
梓「……ん……あつぃ……」

いつの間にか眠っていたらしい。
さっきまで日陰だったはずなのに、傾き始めた太陽の光がじりじり肌を焼いている。

梓「あーっ!焼けてる……。今年は絶対黒くならないようにって気をつけてたのに……」

ひりひりする鼻をちょっと触って、溜息を吐いて、えいやっと起き上がる。
かたわらに置いた飲みかけの缶ビールを一口含んでみる。

梓「……ぬる」

思わず顔をしかめて、缶を元の場所に戻した。
母に言いつけられた物置の片付けは、まだ半分くらいしか進んでいない。

梓「っていうかお母さん、ガラクタ溜め込み過ぎだよ」

アレ全部捨てちゃっていいんじゃない?と呟いて、
小さな庭の隅で開けっ放しの物置を睨んで、また溜息を落とす。


2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:12:03.75 ID:WXt/fxCKo
 「病欠のくせにビール飲んで昼寝とか、結構なご身分ですね中野君?」

わざとらしい作り声に顔を上げたら、
門扉からひょっこり顔を出した純がコンビニ袋を掲げて、よぅ、と口角を上げた。

以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:12:46.36 ID:WXt/fxCKo
純「ほい、お見舞い」

ぴと、と冷たい感触が首筋に触れて、にゃうっ!と声が出た。

純「はは、ほんと猫だね梓は」
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:13:39.41 ID:WXt/fxCKo
純「ぷはぁ!くぁーっ、うめえ!」

梓「オヤジくさいよ」

おっとこりゃ失礼、と言いながら手の甲で口元を拭って純が笑う。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:15:30.13 ID:WXt/fxCKo
先輩たちの中で、唯先輩だけが音楽の道に進むことを選んだ。

大学時代、5人で出演したライブを偶然観に来ていたマネジメント会社の人が
メジャーデビューを視野に入れた活動を熱心にすすめてくれたのだけど、
5人で何度も何度も話し合って、澪先輩とムギ先輩は就職という堅実な道を選択した。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:16:17.97 ID:WXt/fxCKo
お師匠さんの下で雑用をこなしながらギターの腕を磨く毎日。
貧乏暇無しの言葉通りだったけれど、それでも楽しかった。


そんな生活が1年半続いたある日、お師匠さんがアメリカのジャズバンドに誘われて
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:19:51.77 ID:WXt/fxCKo
純「ねえ梓、今日のライブ行かないつもり?」

梓「……」

純「仕事抜きにしてもさ、唯先輩の地元凱旋ライブだよ?」
以下略



8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:21:31.92 ID:WXt/fxCKo
純「あのね梓、こういう質問形式ってものすごく面倒くさいんだよね」

梓「……」

純「だから、できれば、梓から話してほしいんだけど?」
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:22:37.01 ID:WXt/fxCKo



ミュージシャンとして独り立ちしてすぐは、さすがに順風満帆とは言えなかった。

以下略



10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:23:54.83 ID:WXt/fxCKo
純「あの人だったんだ」

梓「……うん」

純「そっか……。それなら、うん、納得した」
以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:24:50.53 ID:WXt/fxCKo

梓「……ごめんね、純」

純「昨日のことはしょうがないよ。だから謝んなくていい」

以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:25:47.91 ID:WXt/fxCKo
純「唯先輩のインタビューが入ってるから。なるべく今夜中に文字起こししといて」

梓「今夜中? でも〆切はまだ……」

純「他の仕事が詰まってんの。なるはやで、頼んだよ?」
以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:26:55.05 ID:WXt/fxCKo
ーーーーー



お風呂で汗を流して、冷えた麦茶を飲む。
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:28:09.30 ID:WXt/fxCKo



ーー初の地元凱旋ライブということになりますが、今のお気持ちは

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15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:29:27.22 ID:WXt/fxCKo
唯『高校の時は毎日部室でムギちゃんの淹れてくれたお茶を飲みながら、
  みんなでおしゃべりしたり、遊んだり、美味しいお菓子食べたり……』

ーーあの、練習は?

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:30:39.65 ID:WXt/fxCKo



ーー……それでは、最後に読者へのメッセージをお願いします

以下略



17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:31:43.36 ID:WXt/fxCKo
唯『……。あずにゃん、聞こえてるかな』

梓「唯先輩……」

唯『昨日はどうしちゃったのかな。びっくりしたし、心配だよ』
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:33:10.50 ID:WXt/fxCKo
唯『あのね、もしあずにゃんがよかったらなんだけど』

梓「……」

唯『サポートしてくれるバンドのメンバーになってくれないかなって』
以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:34:10.19 ID:WXt/fxCKo
唯『私もメジャーデビューしたら、今よりもっともっとがんばりたいし、
  もっともっといい歌をうたいたいから』

梓「……」

以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:36:18.14 ID:WXt/fxCKo
ーーーーー



明け方にようやくインタビュー部分の文字起こしを終えて、純にメールで送った。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/15(木) 07:37:19.88 ID:WXt/fxCKo



……ふと、視線を感じて顔を上げた。

以下略



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