31:1[sage]
2011/10/19(水) 23:52:46.18 ID:LfZrfi6K0
初春がカップを置いて話を再開するが、当の美琴は窓の外へ視線を移したまま、貼り付いたかのように動かない。
まるで信じられない物を見たかのように茫然と窓の外を見続ける彼女の様子に、初春も怪訝そうに窓の外へ目をやった。
「……佐天さん?」
32:1[sage]
2011/10/19(水) 23:54:32.66 ID:LfZrfi6K0
「私の学校、この先にあるんですよ」
「随分学校が多いんだな。ワケ分かんなくなってきたぜ」
涙子の案内を聞きながら、トレインは頭を掻いて苦笑した。
33:1[sage]
2011/10/19(水) 23:56:44.88 ID:LfZrfi6K0
抱き寄せられた格好になった涙子は目を白黒させながら為すがままになっている。
それに構わず、次にトレインは彼女と自身の身体を脇の狭い路地へと滑り込ませた。
その瞬間、物陰から二つの人影が姿を現す。
34:1[sage]
2011/10/19(水) 23:57:52.00 ID:LfZrfi6K0
「!?」
予期せぬ方角から声を掛けられ、美琴と初春は留め金の外れたバネ細工の如き勢いで振り返った。
その先にいたのは、涙子と共に路地へ入って行ったはずの、ダークブラウンの髪のツンツン頭。
35:1[sage]
2011/10/20(木) 00:08:35.22 ID:rMXBfplB0
本日の投下はこれで終了となります
お付き合いありがとうございました
36:1[sage]
2011/10/22(土) 04:37:28.25 ID:R0SN1dWm0
「……ふぅ」
短く溜息を吐いて、白井黒子は凝視していたPCモニターから目を離した。
鼻根を指でつまんでマッサージし、背凭れに深くその身を預けると、キシリと椅子の軋む音がする。
37:1[sage]
2011/10/22(土) 04:38:53.33 ID:R0SN1dWm0
「あんまり根を詰め過ぎると、気付く物も見落としてしまうわよ」
デスクの上にホットコーヒーの入ったマグカップが置かれ、黒子は視線を上げて何時の間にか傍らに立っていた少女の姿を見上げる。
「固法先輩……」
38:1[sage]
2011/10/22(土) 04:40:24.52 ID:R0SN1dWm0
虚空爆破事件。
アルミを基点に重力子を加速させ放出することでアルミを爆弾に変える。
そんな能力を使用していると思われる事件は、現場から回収されている遺留品の多さに反し、解決の糸口はおろか一歩の進展さえ見えていなかった。
39:1[sage]
2011/10/22(土) 04:42:38.71 ID:R0SN1dWm0
画像を切り替えていく内に、黒子の表情が一層険しくなる。
そこに映っているのは物ではなく、人。
この事件での負傷者達の姿であった。
40:1[sage]
2011/10/22(土) 04:44:18.48 ID:R0SN1dWm0
「……幾らなんでも多過ぎると思いませんか?」
「言われてみれば……」
言われて固法もはたと気付いた。
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