33:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:20:13.98 ID:CGXDMCHp0
  * 
   
   びっくりドンキーの一番奥の席、そこに汀はちょこんと座っていた。 
   余所行きの服を着ていて、落ち着かない顔で周囲を見回している。 
   圭介がレジから戻ってきて、ピンクパンサーの絵柄が入ったグラスを二つ、テーブル前に置いた。 
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/10/22(土) 00:20:37.85 ID:tTRLftIB0
 期待!難しい漢字にはルビ降ってくれるとすっごく助かります……。ばかでごめんなさい。 
35:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:20:55.22 ID:CGXDMCHp0
   「何か……タバコの臭いがする」 
    
   「ここは禁煙席だよ。一番喫煙席から離れてる場所を選んだんだ。我慢しろよ」 
    
   「うん」 
36:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:21:54.15 ID:CGXDMCHp0
   そこでオーナーが来て、大きなパフェを汀の前に置く。 
   汀は打って変わって目を輝かせ、動く右手でぎこちなくスプーンを掴んだ。 
    
   「いただきます」 
    
37:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:23:00.96 ID:CGXDMCHp0
  * 
  
   暗い診察室の中、圭介は隣の部屋……汀の部屋の明かりが消えていることを確認して、携帯電話を手に取った。 
   そして番号を選んで、電話をかける。 
   今日の遠出で、汀はとても疲れているはずだ。 
38:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:23:38.37 ID:CGXDMCHp0
   「普通? 笑わせるなよ」 
    
   圭介は暗い声で、静かに言った。 
    
   「化け物さ。あの子は」 
39:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:25:32.03 ID:CGXDMCHp0
 第2話に続きます 
  
 >>34 
 ご支援ありがとうございますm(_ _)m 
  
40:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:49:54.02 ID:CGXDMCHp0
 2話をはじめます。 
41:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:50:49.72 ID:CGXDMCHp0
   涙が落ちる。 
   土砂降りの中、立ち尽くしたその人は涙を流していた。 
   降っているのは雨ではない。 
   赤い。 
   どろどろした粘性の血液だった。 
42:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:53:52.97 ID:CGXDMCHp0
   2.血の雨が降る景色 
  
   「今日はこれ以上は無理だ。汀ちゃんを家に帰してやれ」 
    
   そう言われ、圭介はしばらく考え込んだ後、苛立ったように部屋の中を歩き回り、ぴたりと足を止めた。 
43:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2011/10/22(土) 00:55:19.03 ID:CGXDMCHp0
   「これで六回目のダイブ失敗か」 
    
   「元々無茶なダイブなんだ。特A級スイーパーでも難しいことは分かっていた」 
    
   大河内がフォローするように言う。 
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