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2011/11/24(木) 01:34:59.54 ID:uFOG1DQZo
「ある日、その女の子は身ごもりました」
「み――身ごもる?」
さらっと。
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2011/11/24(木) 01:35:25.77 ID:uFOG1DQZo
「そう、自殺。耐えられなかったんだろうね。愛情のない結婚っていうのにさ。でも、こ
の場合、一番の被害者は、相手の男性だよね。誰とも知れない相手との子供を引き取らな
くちゃいけなくなったんだから。ああ、その人が私の最初のお父さんなんだけれど」
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2011/11/24(木) 01:36:00.19 ID:uFOG1DQZo
と、翼ちゃんは笑顔でまとめた。
複雑というほどでもない、図に書いてしまえば実にわかりやすい家系図ではある。
でも、それが本当なら、一緒に暮らしているという、家族ではない父親と母親は。
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2011/11/24(木) 01:38:55.39 ID:uFOG1DQZo
「よくわからないんだけどさ。結局、どういった話なの?」
「みなしごハッチってことなんだけど。いやいや、もちろん、戸籍上はちゃーんと、父親
と母親なんだけどね。お父さんとお母さんなんだけどね。でも、お父さんらしいこともお
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2011/11/24(木) 01:39:34.12 ID:uFOG1DQZo
そう言ってから、翼ちゃんは僕の前に回り込んで、道を塞ぐようにして、
「ごめんね、阿良々木くん」
と言った。
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2011/11/24(木) 01:40:45.50 ID:uFOG1DQZo
「だから話したんだ」
翼ちゃんは言った。
「狙い通り。私、阿良々木くんで、憂さを晴らした」
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2011/11/24(木) 01:42:44.78 ID:uFOG1DQZo
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
もしもそこに、僕が考えている通りの理由がないんだったら――翼ちゃんが突然、僕に
そんな身の上話を始めるはずがないのだから。
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2011/11/24(木) 01:43:10.86 ID:uFOG1DQZo
確証なんてない。
誰かにやられただなんて、とんだ決め付けだ。
だけど。
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2011/11/24(木) 01:43:51.96 ID:uFOG1DQZo
「それは……それは多分、僕が僕だからだ」
「は?」
「こんなところで引くような僕じゃない。僕はこんなところで引いちゃいけないんだ」
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2011/11/24(木) 01:44:44.62 ID:uFOG1DQZo
穿った見方をすれば。
言質を取ろうとしているようにも思える。
そんな語調だった。
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2011/11/24(木) 01:45:38.69 ID:uFOG1DQZo
・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・
「それは駄目だろう――!」
「親らしいことなんて何もしてくれない人達だったけれど――まさか親らしくないことを
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