過去ログ - 翼「これも、また、戯言かな」
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51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 01:58:37.58 ID:uFOG1DQZo
 それはまったく、他人を立ち入らせようとしない態度だった――当然だ。

 翼ちゃんは別に、僕に助けを求めたわけではないのだから。

 たまたま、道中行き会っただけ。
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 01:59:03.62 ID:uFOG1DQZo
 首輪がないところを見れば、野良猫だろう。尻尾のない、白い猫だった。元々尻尾のな

い種なのか、路上生活の末に千切れてしまったのか、それはわからない。白い猫――見方

によっては銀色のようにも見えるが、しかし、どちらにしたって、自身の血の色に染まっ
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53:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 01:59:30.99 ID:uFOG1DQZo
005

 翌日。

 つまり四月三十日。
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2011/11/24(木) 02:00:10.47 ID:uFOG1DQZo
 では眠気を押してどこに向かおうとしているのかと言うと、それは町のはずれにある廃

墟、かつては学習塾だったという廃ビルである。肝試しにだって使用されないだろうとい

う崩壊寸前の建築物だ。……まあ、真夜中にそんな場所に足を向けているというのは、決
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55:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:00:43.92 ID:uFOG1DQZo
 肝試しにだって使用されないだろうといったものの、実際、こうやって夜中に侵入して

みると、勝って知ったる他人の廃墟と言えど、そこそこ背筋の冷えるものはある――まして。

 ましてこの廃墟の中には、本物のお化けがいるというのだから――尚更だ。
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56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:02:23.30 ID:uFOG1DQZo
 いつも通りの一人言。

 いつも通りの独り事。

「戯言だ」
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57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:02:54.96 ID:uFOG1DQZo
「…………」

「…………」

「…………」
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58:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:03:22.49 ID:uFOG1DQZo
そう、成れの果てといっても、彼女は吸血鬼、食事といえば、――吸血である。

 僕は彼女の小さな体躯に腕を回し、強引に持ち上げるようにしながら、僕は彼女の口を

僕の首筋へと導く。まるで抱き合うように。存在していることを、確かめるように。
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59:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:03:55.74 ID:uFOG1DQZo
 「……あれ?」

 と言ったところで。

 今日に限って、彼女が僕の首筋に噛み付いてこないことに気付く――抱擁しあうような
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60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(東京都)[saga]
2011/11/24(木) 02:04:28.32 ID:uFOG1DQZo
 違った。

 見てみれば――吸血鬼幼女の視線を追ってみれば。

 彼女は僕の首筋など見てはおらず。
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