81:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:45:33.45 ID:c4Axoe8J0
自分をにらみつける杏子の視線に物怖じする様子もなく、キュゥべえは話を続ける。
「もちろん、今回の件を独力で解決できるなら、見滝原は当分マミのテリトリーであり続けるだろうね。でも、君の手を借りなければならないようなら話は違ってくる。そんなことになれば、そう遠くない将来、マミは魔法少女を続けられなくなるだろうと僕はにらんでいる。さっきも言ったとおり、彼女を戦いに駆り立てているのは使命感だ。それは、君のように私利私欲で戦っている魔法少女が決して持つことのない強さを、マミに与えてきたわけだが―今回のように、使命感だけでは割り切れない事態に遭遇した途端、あっさりと機能しなくなる。魔法少女としては致命的な弱さを同時に抱えているということでもあるんだ」
「……」
82:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:46:15.29 ID:c4Axoe8J0
「ちっ」
やがて杏子は口を開いた。
「しゃあねえな。要するに、巴マミが使いものにならないから、あたしに尻拭いを押しつけようってわけだろ。ま、いずれあいつのテリトリーは頂くつもりだったし」
83:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:47:49.04 ID:c4Axoe8J0
普段なら静まりかえっているであろう夜半の病棟も、今夜は嵐の喧噪に包まれていた。
佐倉杏子は、キュゥべえの指定した病室に向かうため、見滝原病院の最上階に侵入していた。
84:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:51:20.25 ID:c4Axoe8J0
その時だった。
廊下の向こうからドアの軋むような音が聞こえて来たかと思うと、微かに風が吹き込んできたのに杏子は気づいた。
(……?)
85:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:52:23.11 ID:c4Axoe8J0
「わっ?」
危うく杏子は大声をあげてしまうところだった。
いつの間にか、キュゥべえがそこにいたのだ。
86:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:53:53.14 ID:c4Axoe8J0
そう言葉を交わす間にも、杏子とキュゥべえを取り囲む景色は目まぐるしく変わっていく。
(どこから来る……?)
槍を握る手が汗ばんでくるのを感じながら、杏子は懸命に敵の気配を探ろうとした。
87:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:54:45.77 ID:c4Axoe8J0
「いったいどういう相手なんだ?こいつ」
「僕にも分からない」
キュゥべえは首をひねった。
88:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:55:23.21 ID:c4Axoe8J0
ともすれば半日ほども結界の中をさまよい歩いただろうか。
「杏子、気をつけて」
89:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:56:19.36 ID:c4Axoe8J0
「うわッ……!」
杏子の左足を、凶々しい光を放つ刃が切り裂いた。
体制を崩した杏子に、さらに激しい魔女の攻撃が浴びせられる。
90:SS寄稿募集中 SS速報でコミケ本が出るよ(三日土曜東R24b)[sage saga]
2011/12/23(金) 03:57:34.80 ID:c4Axoe8J0
「てめえ……」
杏子は笑った。
「遅えんだよ……!元はと言えば、てめえがぐだぐだしてやがったからじゃねえか。おいしいとこだけ、持ってくつもりかよ……!」
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