120:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:51:26.87 ID:Tke7n+/c0
アウレオルスはスーツの内ポケットから一本の鍼を取り出した。
銀色のか細い金属は、インデックスの目には糸のようにも映った。
121:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:53:30.74 ID:Tke7n+/c0
Last Chapter Passage15
122:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:54:35.30 ID:Tke7n+/c0
嫌味ったらしい自慢げな声がする。
123:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:55:38.37 ID:Tke7n+/c0
「けっ、結局、また、死んじゃうところで」
「ごめん。でも、結果としては生きてるだろう?」
124:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:56:48.42 ID:Tke7n+/c0
憤懣の念に低く抑えられた、しかし真摯な声が耳をくすぐった。
背筋に氷を当てられたような寒気と、心臓に火を入れられたような熱が、同時に蠢いた。
125:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:58:16.22 ID:Tke7n+/c0
「あなたと、一緒に生きたい」
126:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 22:59:25.78 ID:Tke7n+/c0
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『気分はどう?』
127:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 23:01:08.22 ID:Tke7n+/c0
『あの時のやりとりを、覚えて……いえ、これは愚問でした』
『うん。あのときの私が塞ぎこんでてなにも聞こえてなかったっていうのは本当だけど、
128:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 23:02:38.54 ID:Tke7n+/c0
『私の一番は、ステイル=マグヌス。多分これは、もう一生動かない既定事項なんだよ。
私にとってあなたは一番じゃあない。そこに嘘はつけない。でも……だからあなたに
いなくなってほしいなんて、そんなことあるわけないでしょ!』
129:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 23:03:18.02 ID:Tke7n+/c0
『だから――――これからもよろしくね、私のお母さん』
130:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/29(木) 23:06:28.94 ID:Tke7n+/c0
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つん、と瞼の裏に隠れた眼球を光が刺激した。
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