64:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:42:32.67 ID:l5SKq28Z0
対峙する『人間』が示す意志は、単純明快。
65:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:43:26.87 ID:l5SKq28Z0
ツァラトゥストラ
神は死んだ
66:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:44:14.14 ID:l5SKq28Z0
男の消失したはずの左肘から先が“生えた”。
刻一刻と男の命のしずくが失われていた穿から、豪と火の手が上がる。
全身の皮膚の裏側から、血液を燃やしたような焔が産声を上げる。
67:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:46:47.29 ID:l5SKq28Z0
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女は世界がかたちを変える正にその瞬間を、無為に見送るほかなかった。
68:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:48:26.20 ID:l5SKq28Z0
それでも女は指一本動かせなかった。
ならば己はいま、何を為すべきなのか。
69:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:49:19.25 ID:l5SKq28Z0
考えれば考えるほど、心が身動きを取れなくなっていく。
その間にも時計の針は休むことを知らず、正確に己が役目を果たしている。
女が一度は『無限の愛』を傾けた尊い世界が、生まれ変わるために死んでいく。
70:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:49:57.15 ID:l5SKq28Z0
「しなないで、すている」
71:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:50:30.36 ID:l5SKq28Z0
72:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:51:44.32 ID:l5SKq28Z0
女が我に返った時、世界は夜だった。
より正確には一面の闇だった。
そして、物音一つしない静寂だった。
73:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:52:48.82 ID:l5SKq28Z0
続いて声が戻ってきた。
だが、望む名前を滑らかに発声できない。
筋肉の硬直が原因ではない。
74:>>1 ◆weh0ormOQI[saga]
2011/12/27(火) 22:53:20.45 ID:l5SKq28Z0
遅れること数秒して、背にじくりとした痛み。
それでやっと女は、自分が抱き締められているのだと悟った。
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