過去ログ - とある主人公たちのハーレムルート
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2:以下、あけまして、おめでとうございます[saga]
2012/01/02(月) 23:35:13.28 ID:Ct7sawydo
絶対的な肉の快楽に溺れながら浜面仕上の脳裏に浮かんだのは冥土返しと呼ばれる医者の技術の素晴らしさだった。
対面座位の形で交ぐわっている超能力者、麦野沈利。その顔にかつて浜面が付けた大きな傷はもう存在しない。
激しい性交で火照ったせいか、多少なりの違和感もあるが意識してみようとしなければこの距離でも気づくこともできない。
3:以下、あけまして、おめでとうございます[sage]
2012/01/02(月) 23:36:30.72 ID:ZO7EcI0Qo
ふぅ
4:以下、あけまして、おめでとうございます[sage]
2012/01/02(月) 23:37:01.55 ID:Ct7sawydo
「んっ!」
一瞬だけ、驚いたかのような表情を見せるもそれは容易く解け、自分の顎をつかみ、頭を引き寄せ、舌を絡ませる愛人(レマン)を麦野は迎え入れる。
互いの舌を絡め、唾液をすすり、相手に嚥下させ、歯肉をぶつけ合うかのようにキスを続ける。
5:以下、あけまして、おめでとうございます[sage]
2012/01/02(月) 23:38:39.06 ID:Ct7sawydo
「でも、しずりは罰を受けないといけないよね。しあげのこと傷つけたんだから」
罰。ペナルティ。
それがどれほど甘いものか、麦野は心身ともに刻みつけられている。
6:以下、あけまして、おめでとうございます[sage]
2012/01/02(月) 23:40:02.83 ID:Ct7sawydo
滝壺理后の肉体も高ぶっている。浜面の性交で早鐘となった心臓はまだ落ち着きを取り戻していない。
その土台に、自分の男が自分以外の女を抱いているという嫉妬――確かに、納得はしているが――が積み重ねられ、喉がひきつりそうなほど心も体も切なく追い詰められている。
自分だって、欲しい。
一箱六個入のコンドームを一晩で使い切り、それでも足りなくて避妊具なしで性交を強請ったのは滝壺だ。
7:骸の蝉[saga]
2012/01/02(月) 23:42:23.54 ID:Ct7sawydo
どこから飛んできたのか、麦野の病室、その窓の外に一匹の蝉が落ちていた。
ジジ、とわずかな唸りを上げている。命が付きかけているのは誰の目にも明らかだった。
脳を持たない節足動物でも死が怖いのだろうか。
8:骸の蝉[saga]
2012/01/02(月) 23:43:40.28 ID:Ct7sawydo
蝉の胴体は空っぽだ。
大きな音を立てるために、ドラムのような反響装置として、肉も筋も存在しないただの伽藍堂だ。
ただの伽藍堂。
9:骸の蝉[saga]
2012/01/02(月) 23:44:53.78 ID:Ct7sawydo
滝壺の能力、AIMストーカーは体晶を用いることで”正しく暴走”し、一度認識した能力者のAIM拡散場を銀河の果てまで追跡する。
全ての物理的防御を無視して対象を射抜き焼き殺す麦野の能力との相性は抜群だった。
便利だったから使って。
切り札だったから使わせた。
10:骸の蝉[saga]
2012/01/02(月) 23:45:58.09 ID:Ct7sawydo
滝壺がゆっくりと麦野の手を取った。片手しかない麦野を、両手でしっかりと。痛いほど握り締めた。
「ありがとうね、むぎの。私、むぎのにそう言ってもらって本当に嬉しい」
いつの間にか夕方のオレンジは夜の帳に塗り替えられ、外の風も冷たくなってきていた。
11:骸の蝉(了)[saga]
2012/01/02(月) 23:49:47.80 ID:Ct7sawydo
暴力に訴えなかったのは何故だろう。能力で殺さなかったのは何故だろう。
決まっている。浜面に嫌われたくないからだ。
体も心もおかしくなっているのに、溢れんばかりに胸の内に彼の存在を感じてしまう。
「そうだよ! 私は今でも浜面が好き! どうしようもないぐらいに好きなんだよ! でも、だからってもう終わって決定したことを、無理矢理ひっくり返したって、
12:骸の蝉(ずれた)[saga]
2012/01/02(月) 23:50:57.98 ID:Ct7sawydo
「浜面が、私のことを、好き――?」
そんなハズはない。だって、アイツは――
「私のことを好きでいてくれている。それは確信している。でもだからってむぎのを想ってないわけじゃないよ」
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