215:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 8/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:01:52.44 ID:+8WHHyx8o
こちらの授業はプロジェクタを使っての映像講習だった。途中からなのでよくわからないが、一見、グロいピ
ンクの映像が流れている。
「どうだった?」ミィコが小声で聞く。
「クーヘレン先生だった。内容はありきたり。そんなの"知ってんし"みたいな」
あたしのシャレにミィコが笑った。シャルは、辛いのを無理していない? とでもいいたげな視線をよこした。
216:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 9/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:02:21.33 ID:+8WHHyx8o
礼を言った。彼は高跳びの選手ではないが、いつも準備を助けてくれるのだ。
「いえ」
だが、そんないつもの返事を言った顔がいつもとは違っていた。明らかになんというかニヤついている。その
ニヤつきは嫌味な感じではなく、心の底から幸せを感じている、そんなニヤつき。つまりどちらにせよ、ヤナカ
ンジ。
217:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 10/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:02:50.70 ID:+8WHHyx8o
できるか? そんなこと。恥ずかしいだろ。
でも、そういったことができる奴がいるのだ。そんな奴が幸せになるように世の中はできているらしい。
支柱を直したが、飛ぶことはせず、落ち着くまで走ることにした。ランニングとダッシュを繰り返すトレ。気
のせいかダッシュの回数が多くてすぐにへばってしまった。
息を切らせて、空を仰いで、マットの上に寝転ぶ。見つかったら怒られるが、そうそうこちらを見ているもの
218:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 11/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:03:21.77 ID:+8WHHyx8o
るというので、断れなくなった。
「気持ちはわからないでもありません」クーヘレン先生が言う。先生はホットコーヒーしか頼んでいない。
あたしが相談した内容は、好きになった人が、あたしのことを好きになるのではなく、子供の出来ないあたし
の体を望んでしまうのが怖いということだ。
「そういう人達はたくさんいます」
219:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 12/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:03:52.12 ID:+8WHHyx8o
クーヘレン先生の見た目は綺麗だ。性格だって、こんな生徒の為に時間を使ってくれる人が悪い人であるはず
がない。結婚しようと思えば相手はいるだろう。だから、子供を望んでいて、男性の失天使を探しているのでは
ないか、とあたしはそう考えた。
でも、そうではなかった。
「結婚しますよ」クーヘレン先生は言う。「今年中には」
220:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 13/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:04:27.48 ID:+8WHHyx8o
急いで返信する。あきらかにムキになっている自覚はある。
タイトル:Re:失恋したって聞いたよ
本文:それ、どこ情報?
残念ながらしてませーん
221:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 14/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:05:14.49 ID:+8WHHyx8o
「いつ!」
あたしは貪欲に突き進む。あたしの辞書にはいろいろな文字が載っていないし、いろんなところが丸で囲んで
あるみたいだ。
「彼が大学を卒業したとき」
ついこないだ!
222:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 15/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:05:48.73 ID:+8WHHyx8o
クーヘレン先生が、ケータイのディスプレイを見えるようにかかげた。そこにはミィコ・ヒェングラート 十七
歳からの脳天気なお祝いメールが絵文字いっぱいで表示されていた。
「すみません、ミィコにだけ、さっきつい教えちゃいました」
「そう」
クーヘレン先生はケータイをテーブルに置く。
223:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 16/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:06:18.97 ID:+8WHHyx8o
もいるかもしれないと、少しだけ思った。そうして余計なことをやってしまうのだ。
「月曜日にしかっておきます」
どうぞ、そうしてください。あたしは、代官にあたまをさげる商人のようにへりくだったような気になる。
テーブルの上に戻されたケータイはたびたび時間を置いて着信を繰り返していた。もしかして、これが一クラ
ス四十名弱分続くのだろうか。
224:ウイングレス・ガーリィ(お題:ハンバーガー) 17/16 ◆pxtUOeh2oI[sage saga]
2012/04/13(金) 00:07:31.79 ID:+8WHHyx8o
以上です。
ながくてすみませんが、時間のあるかたどうぞ。
OPは灰羽のオマージュです。
というか灰羽から設定を思いついたみたいな
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