962:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/08/12(日) 23:26:43.27 ID:ez1SVrJF0
ぬう、もうちょいだが思わぬタイムロスで時間食ってる。カオス来ないかな。
963:その命、尽きるとき(お題:女神) 1/10 ◆AWMsiz.p/TuP
2012/08/12(日) 23:26:44.84 ID:j3F87tL90
年季の入った冷蔵ケースを開いて、僕はソーダ味のアイスを取り出した。いつもと変わらないひんやりとした水色。どこかの誰かが、
青いものは食欲を失わせる効果があると言っていた。じっとアイスを眺めてみる。僕は袋を開けながら、あれは嘘だと思った。
ソーダ味のアイスには棒が二本ささっており、真ん中のくぼみに沿って縦に二つに分けられる。条件反射のように気が付いたら二つに
割っていた。あいにくもう片方を食べる相手はいない。僕は右手のアイスを口に頬張ると、左手に取り残されたアイスを袋に戻して、冷
蔵ケースの隅っこに隠すようにして入れた。
964: ◆7az9zC1iQs
2012/08/12(日) 23:27:15.00 ID:27/YQd0ao
テスト
965:その命、尽きるとき(お題:女神) 2/10 ◆AWMsiz.p/TuP
2012/08/12(日) 23:27:43.50 ID:j3F87tL90
「そりゃあ寂しいなあ。昔はほれ、うちの隣の空き地で毎日野球しとったのに。わしの家の窓ガラスを一番割ったのは坊主だからなあ」
「その節はどうも申し訳ありませんでした」
僕は冷蔵ケースを開けて、食べ残しのソーダアイスを取り出そうとした。ごそごそと漁っていると、隅っこから半分だけのアイスが三
本出てきた。どれもなんとなく心当たりがある。
「暇だったらよう」茂さんはどこか遠くを見ながらいった。「一つ頼まれてくれんかい」
966: ◆ihO9dxzf9I[sage saga]
2012/08/12(日) 23:27:54.18 ID:30xXBl/o0
予約
967:その命、尽きるとき(お題:女神) 3/10 ◆AWMsiz.p/TuP
2012/08/12(日) 23:28:19.12 ID:j3F87tL90
「二十八年前ですか」
口にしただけで、疲れを感じる年月だった。
「写真はあるんですか?」
茂さんは、首を横に振った。名前と年齢と、三十年ほど前の勤務先だけで人を探す。人探しの経験は無いが、一日二日でどうにかなる
とは思えなかった。それこそ駄菓子屋の店先でソーダアイスを食べるより、無駄な時間を過ごす羽目になりそうだ。
968:その命、尽きるとき(お題:女神) 4/10 ◆AWMsiz.p/TuP
2012/08/12(日) 23:28:51.81 ID:j3F87tL90
「足が出る?」
「うん。恥ずかしい話なんだが、なにせ少ない年金で細々と暮らしている身だからなあ。ああいうところは金がいくらかかるかわからん
から、手が出んのよ」
確かに探偵に人探しを依頼した場合の相場などわからない。しかし、茂さんが探偵を敬遠するのは、それだけが理由では無いように思
えた。思いつくのは警戒心だ。僕も探偵というものには近づきがたい響きを感じる。
969: ◆1ImvWBFMVg[sage]
2012/08/12(日) 23:29:07.22 ID:ez1SVrJF0
じゃあ予約
970: ◆7az9zC1iQs
2012/08/12(日) 23:29:08.59 ID:27/YQd0ao
挟まってごめん予約!
971:その命、尽きるとき(お題:女神) 5/10 ◆AWMsiz.p/TuP
2012/08/12(日) 23:29:20.13 ID:j3F87tL90
「あの」僕は奥さんに声をかけた。
「はいっ」弾けたように、奥さんが笑顔で反応する。
「ここのラーメン屋はいつくらいからやられているんですか?」
ええと、と奥さんが口ごもる。すると店主が口を開いた。
「うちの親父が始めたのが最初なんで、五十年くらい前からやってますよ。それがなにか?」
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