2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/06(月) 22:14:33.53 ID:7mExSTOs0
ベットに潜り込んでも眠れない夜はある。いつか同室のラウラとお揃いで買った
猫パジャマのフードをとり、上体を起こすと、安らかな寝息のラウラを後目に
溜息を付いた。時計を見ると、短針は4を少しずれた場所を指している。
窓に掛かるカーテンに手を掛ければ、夜も明け切らぬ暗い空が目の前に広がった。
夜明けまでの時間は長い。対して自分に残された時間は少ない。この貴重な時間を
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/02/06(月) 22:16:50.10 ID:7mExSTOs0
彼もoffならどこか一緒に…。と行きたかったが、生憎予定が詰まっていることを
シャルは知っていた。相変わらずの唐変木な一夏であったが、何というか、
気づき始めたのか、最近の彼は、いつもの5人から距離を置き始めた様な感じがする。
というのも、一夏とoffが重なる日が5人共に無いのだ。ISの調整などは、
専用機持ちの場合、特に本人の都合が優先されるので、意識しない限り一日ぐらいは
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:19:41.08 ID:7mExSTOs0
昨日、突然の雨にやられ、肩を落としたところで紅茶をひっくり返し、
染み抜きのため、水につけたためシャルのブラジャーは全滅していたことを
思い出した。この寮の衣装入れは台にもなっているが、そこで本を
読み始めたのが失敗だった。時刻は4時過ぎ。あのあと干し直した下着類は
乾くわけもなく、昨日脱いだブラジャーは汗くさい。また着けるのははばかれよう。
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:20:56.09 ID:7mExSTOs0
夜明けが大部遅くなったにしろ、夜明け前の気温は、彼女のまとう制服のほかに
何かを羽織る必要のない程度で、未明の散歩には若干肌寒いものの体が動けば
気にならない。若干胸元が寂しいが、それも手伝ってかシャルは寒さを感じることも
なかった。時間も早いし、どうせ同姓しかいないこの学園、シャルは気分転換のつもりで
外に出た。彼女の悩み、そう、あのとき先送りしてしまったデュノアとの確執だ。
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:24:12.85 ID:7mExSTOs0
改めて見てみると、文字量がすごいことになっていますね。
読みにくいかもしれませんが、ご容赦をば。え、誰も読んでいない?あれま。
外に出て見たものの、それだけで悩みが解決できれば、こんなに苦しい思いはしないでいい。
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:26:32.76 ID:7mExSTOs0
いい方法は…。堂々巡りだ。こんな時、一夏がいてくれたら、いや、今は困る。
なにせ今の私は重要なアイテムが一個足りない。それが一夏に知れたら、変な女の子って思われてしまう。
ノーブラで散歩、痴女。乙女はそんなことしないから、結婚相手に選ばれない。困る。とても困る。
そうじゃない、とにかく折角一人で考える時間ができたんだから、少し頭を冷やしておかなければ。でも、一夏が…。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:29:17.98 ID:7mExSTOs0
結婚…。確か、日本の法律では、男性は18になったら結婚できるはず。そうすれば、
妾の子供である私をデュノアは面倒見ずに済むようになり、無関係になれる。あとは
織斑先生を説得して判を押させて、うぅいちばん難しそうだけど、やらなければ未来はない。
今まで、夢物語か幻想かと思っていたことが、急に現実味を帯びてきた。今までは、
ただ単なる乙女の純情のみで一夏にアタックしていたが、もしかすると一夏を射止めることが
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:30:48.46 ID:7mExSTOs0
夜明け。青から赤へ色移ろう空、抱きしめてくれる人はいない。思考は尽きなかったが、
夜明けの散歩もそろそろ飽きてきた頃、シャルは自分の部屋に引き上げようと踵を返した。
建物に近づくにつれ、部屋の窓がはっきりと目に映る。ついつい、一夏の部屋を探してしまう
シャルは、次の瞬間、自分はまだ寝ぼけているのではと疑った。夜明け直後にもかかわらず、
一夏の部屋に灯りがともっていた。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:32:45.44 ID:7mExSTOs0
「たまたま朝早くに目覚めちゃって。散歩してたら一夏の部屋に灯りがついたから。ほら、
最近すれちがいが多かったからどうしてるかな〜って」
当たり障りのない答えを出してしまった自分に辟易したものの、このチャンスをどう生かすかに
考えが及ばない。赤面したのは、ほら、不意に一夏が裸だったからなどと誤魔化したものの、
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:36:58.79 ID:7mExSTOs0
この季節ともなれば、学園を出た後の進路も決まってくる生徒が多くなってくる。現に、クラスメイトの半分が
国の研究機関や、民間会社などに決まっていて、ほかのクラスでは、日本の代表に選ばれた人も出た。
「男って事もあって代表には選ばれなかったけど、お陰様で倉持技研に決まったよ。白式も一緒にね。」
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/06(月) 22:38:37.61 ID:7mExSTOs0
唐突に一夏がまじめな顔になる。続いて一夏の口からは予想通りというか、よく覚えていたと言うべきか、
言葉が続いた。
「シャルは、卒業後どうなるんだ。いまのところ」
124Res/63.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。