562:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:29:03.34 ID:WO2eriwB0
唖然としたガゼルに構わず、虹はニヤリと笑った。
『死ね』
向かってきた熱波が、落下する周囲の中、虹の手に当たる直前で、グズグズの沼になって変質した。
563:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:30:21.29 ID:WO2eriwB0
次いで、虹の周辺に棺おけのような黒い物体が沼の中から出現した。
認識魔法、そのレベル2の発現だった。
更紗のものと違って、出現した棺おけは一つ。
564:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:31:16.89 ID:WO2eriwB0
衝撃で彼女の体が弾かれ横に飛ぶ。
そのままエレベーターエリアから飛び落ち、岸壁がむき出しの階層と階層を結ぶ空間に躍り出た。
上の階層の一部が、すっぽりとなくなっていた。
565:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:32:23.08 ID:WO2eriwB0
彼は後部のブースターを吹かし、横に飛ぶと虹の体を岸壁に運んだ。
そして少しせり出て、奥に空間がある場所に転がり落ちる。
落下の衝撃はピノ粒子で抑えたが、虹はそれでもまた血を吐いた。
566:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:33:55.73 ID:WO2eriwB0
ガゼルが、ピノ粒子の使いすぎで、一時的に休止状態に陥ったのだ。
彼にかかっている泉の魔法ですぐに粒子は復活するものの、タイムラグがある。
しかしそれは、致命的過ぎるタイムラグだった。
567:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:34:37.73 ID:WO2eriwB0
真っ赤に発光した二匹の目を見て、虹が歯噛みする。
パラパラとドームの残骸が落ちてくる中、二匹は虹が磔られている空間に入り込み、そして言った。
「今のは危なかった。凄く危なかった」
568:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:36:30.31 ID:WO2eriwB0
その時の虹には分からなかったことなのだが、全ては紙一重の出来事だった。
空中で方向転換が出来る猫、シェンダアンスがパートナーのモルモット、
アートナーが発した刀を反射し、その勢いで後部に飛び大魔法を避けていたのだった。
569:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:37:48.28 ID:WO2eriwB0
虹は、ところ狭しと突き刺されて壁に食い込んでいる刀を見て、荒く息を吐いた。
(この辺なんだけどな……)
薄れて消えそうな意識の中、懸命に集中する。
570:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:38:50.78 ID:WO2eriwB0
突然の少女の豹変に、動物二匹が止まる。
「何? 何がおかしいの?」
「さっぱりわからないわ。何か楽しいことがあるの?」
571:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/20(月) 17:40:09.03 ID:WO2eriwB0
「何がおかしいの? ねぇ何がおかしいの?」
「感じない? 変な気。変な気分。凄く、凄く変な気分」
「……本当だ。くさいね。すごくくさい。くさいくさいくさい」
979Res/589.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。