624:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:45:49.10 ID:mkVHEDB80
こんにちは。
三年越しにマルディも復活しまして、お話が回っていきます。
お付き合いいただけましたら幸いです。
625:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:46:22.46 ID:mkVHEDB80
17 転換と湾曲
虹が去ってから、トレーラーハウスは動いていなかった。
何と言うことはない、ただ、
626:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:48:15.37 ID:mkVHEDB80
「首が痛いのですか? ちょっと、診せていただいても宜しいですか?」
「はい……ですの」
力なく頷いて、燐は体を横に向けた。
627:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:51:01.32 ID:mkVHEDB80
問いかけられ、彼女は笑ってそれに答えた。
「何でもありません。風邪をこじらせたのでしょう。
寝ていれば良くなります」
628:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:51:42.91 ID:mkVHEDB80
(ガゼルさんがいれば……)
前に、虹の看病をしたときに、
同様のものを彼女の体に見たことがあった。
629:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:52:16.80 ID:mkVHEDB80
「水が飲みたい……」
そう言った燐に頷いて、里は水差しを手に取り
……そして停止した。
630:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:52:59.76 ID:mkVHEDB80
「きゃあ!」
悲鳴を上げた主人から慌てて水差しを遠ざけ、里はタオルをとって、
水を真っ向から被ってしまった燐を拭こうとした。
631:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:53:41.17 ID:mkVHEDB80
燐は、指先で、回転している水をつついた。
何の力で支えられているのか、
球形になったそれが渦を描いて燐の周りを回っている。
632:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:54:59.31 ID:mkVHEDB80
燐は無理やりに体を起こすと、
里を引き倒してトレーラーハウスの中に転がり込んだ。
今まで彼女達がいた場所を、一拍後、
熱線のような赤い光が通り過ぎた。
633:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 16:55:45.49 ID:mkVHEDB80
その火の中、燐は呆然と座り込んでいた。
耳鳴りがして、よく音が聞こえない。
彼女の首筋の核は、凄まじい光を発していた。
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