650:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:08:39.53 ID:mkVHEDB80
今まで何もなかった空間に、不意に厚手のソファーが浮かび上がった。
その脇には冷蔵庫、そして湯気を立てているコーヒーのバリスタが見える。
どこかの家庭内の一室であるかのような、そんなアットホームな感覚がしだす。
651:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:09:16.59 ID:mkVHEDB80
そして椅子を鳴らし、燐の方に体を向ける。
「接続ガ変わるト、記憶領域ノバックアップができナイ」
「あ……私……私、燐と言います。あなたは……?
652:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:09:49.72 ID:mkVHEDB80
功刀はバリスタの方に歩いていくと、
コーヒーカップに中身を空けた。
そして口に運ぶ。
653:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:10:34.08 ID:mkVHEDB80
自分がジェンダから来た、ということをもし真っ正直に言ったとして。
もし、この人が魔法使いか、信教の人だったら……。
自分と、更紗の関係を探り当ててしまうかもしれない。
654:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:11:11.37 ID:mkVHEDB80
「どうして……どうして、それを……」
「『更紗』とイウ名前に、心当たりハナイカ?」
問いかけられ、燐は青くなって首を振った。
655:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:11:50.32 ID:mkVHEDB80
「エンドゥラハンに襲われてタ、アンタ達を助けタ。
そこのアンドロイドは、記憶領域ヲ別のハードディスクに入れ替えル作業をしてる。
礼くらい言ったラどうダ?」
「あ……そ、そうでしたの……ありがとう、ございます……」
656:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:12:30.24 ID:mkVHEDB80
立ち上がりかけた彼女を手で制止して、
功刀はパチンと指を鳴らした。
床にぶちまけられたコーヒーと、割れたカップがヘドロのようになって消える。
657:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:13:05.71 ID:mkVHEDB80
「そう思われテタのカ」
「…………」
「まぁイイ。第一、姉さんノ眷属ヲどうこうスルつもりハナイ」
658:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:13:43.44 ID:mkVHEDB80
「昔話ヲシよう」
「昔話……?」
「ああ。今から四百年ホド前、俺達ガハイエイトと呼ばれていたコロ、
659:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/21(火) 17:14:24.83 ID:mkVHEDB80
「そこまでシテ二人、それが生涯通じてノ、更紗姉ノ仲間ダッタ」
「…………」
「だから、姉ノ核に感染シテル人間を見るノは、
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