83:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:08:35.35 ID:A45p+aH70
問題は、このガキが彼女の……大男の姉の家族であるという事実であった。
しかしこれは……。
「ルアの黒い一族じゃネェカ……」
84:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:09:01.38 ID:A45p+aH70
「ねぇ、功刀、ねぇ功刀」
猫が口をもぐもぐと動かした。その赤い瞳が、らんらんと輝いて影に沈みこんでいく爪のことを見ている。
「お腹空いたなぁ。空いた。きっと、絶対に多分」
85:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:09:33.54 ID:A45p+aH70
「美味しそうじゃん? つんつんつんつん鼻をくすぐるね。くすぐるね」
二匹の視線が、同時に爪が殺した女性従業員の首なし死体に注がれる。
「……勝手ニシロ」
86:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/08(水) 17:14:22.90 ID:A45p+aH70
お疲れ様です、第三話に続かせていただきますm(_ _)m
キャラ設定など細かいことは、>>1のWikiと前スレをご参照ください。
ご意見、ご感想、ご質問など、どんどんください。
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/02/08(水) 18:23:51.45 ID:o3o2rO+zo
乙だぜ
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2012/02/08(水) 19:25:26.93 ID:YN9ZJekDO
?「やっと俺の出番!!」
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2012/02/09(木) 03:58:31.54 ID:sKRKUsVko
そこはかとなくボトムズの主題歌が似合いそうな気がしなくもない 狂気分を足せば
90:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:15:38.71 ID:vAi26PND0
>>87
ありがとうございます(`・ω・)
そちらもお風邪など召しませんよう
>>88
91:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:20:50.21 ID:vAi26PND0
3 白い一族
羽が、生えなかった。
彼女にはいつまで経っても羽が生えなかった。
もう生えてもおかしくはないはずなのに、その白い背中には兆候である青痣さえも浮かび上がってきてはいなかった。
92:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:24:19.65 ID:vAi26PND0
「……羽だよ羽。私にはもう出てるのにさ。どうしてお姉ちゃんは未だに子供なわけ?」
そう言って、彼女は浴場の淵に腰を下ろしながら僅かに前かがみに姿勢を崩した。
――その背中から伸びているのは、手の平大の小さな……鳥の羽骨のような物体だった。
いや、本当に手の平だ。外側を向いた状態で、子供の手のような形を連想とさせる白い骨が、肩甲骨の隙間から盛り上がっている。
93:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/02/09(木) 19:25:38.28 ID:vAi26PND0
骨のような羽を持つ少女は短く切りそろえたショートの白髪をしていた。顔立ちも幼く、大きな目が無邪気に……本心から純真なのだろう。キラキラと光っている。
大してゆったりと浴槽に泳ぐように身を横たえていた少女は、彼女とは正反対に成熟した大人の妖艶な雰囲気を発していた。お湯の上に、伸ばせば膝裏まで垂れるほどの長い白髪がばらけている。
豊満な胸を隠すでもなく風呂に浮かべ、仰向けになって彼女は息をついた。
「ねえお姉ちゃん」
979Res/589.08 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。