902:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:40:25.38 ID:ur+gV4mt0
マルディが呟く。
銀はそれに答えることなく、
巧みな体さばきでルケンを転がすと、
胸を強く叩いた。
903:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:43:59.62 ID:ur+gV4mt0
*
「何でだよ……死んだら……死んだら
意味ないだろ。死んだら全部終わりだろ……」
904:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:44:45.01 ID:ur+gV4mt0
硲は妹を抱いて泣き崩れている兄を、
呆然と見詰めていた。
「死んだら……終わり……」
905:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:45:28.40 ID:ur+gV4mt0
泉の肩を掴んで、それを無理やり
自分の方に向かせ、
硲は豹変したような顔で怒鳴った。
「姉さん! いい加減にしろよ!
906:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:46:04.95 ID:ur+gV4mt0
「姉様を静かに見送ってやることが出来ぬのか!」
「うるさい! うるさぁい!」
「功刀、硲を抑えるのじゃ!
907:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:46:37.98 ID:ur+gV4mt0
腹に硲の拳が突き刺さる。
泉は横殴りに吹き飛ぶと、
涙の亡骸を離して、ゴロゴロと地面を転がった。
908:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:47:18.92 ID:ur+gV4mt0
「やめい功刀……今は、そういう時ではない」
更紗が手で顔をぬぐって、
地面に転がっている涙の亡骸に近づく。
909:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:47:59.26 ID:ur+gV4mt0
「何だよ! 何で守れなかったんだ?
あれだけ大言造語ほざいておいて
結局死んだじゃないか!
何で守れなかった!
何で守れなかったんだ? 何で!」
910:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:48:36.64 ID:ur+gV4mt0
津雪はポケットに手を入れて、
小さな注射器を取り出すと、
硲に近づいて、ゾッとするような声で言った。
「悪いけど、少し眠ってな」
911:三毛猫 ◆E9ISW1p5PY[saga]
2012/04/29(日) 22:50:45.84 ID:ur+gV4mt0
お疲れ様でした。
次回の更新に続かせて頂きます。
ツイッターなどを通して沢山のご感想、
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