過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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360: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:27:11.75 ID:ZBJljBKH0
そして同時に、少女達の胸中にも沸々と怒りが湧き上がってきた。
そもそもにして、こんなところに自ら望んで来ているものなどほとんどいない。
誰もがその素質を見出され、強制的に徴兵されたような少女達ばかりなのだ。
その横暴に、その事実すら認めようとしない傲慢さに、黙っていられるはずなどが無い。
最早この場には、運命に翻弄されて膝を抱える少女などは一人もいない。
以下略



361: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:27:52.85 ID:ZBJljBKH0
「謝る必要なんか無いわ。……貴女達のその選択は間違ってない。
 きっと、それも勇気ある決断だと思うから」

どうしようもない不条理を、やるせない憤りを、吐き出しぶつけるのではなく、ぐっと堪えて飲み込んだ。
それはある意味、戦いを選ぶ少女達よりもずっと大人な選択であるかもしれない。
以下略



362: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:29:03.83 ID:ZBJljBKH0
「……あのね、スゥちゃん」

虚空を漂う二人。二人きりの時間はそこに無限にあった。
けれど、本当に無限にしてしまう訳にもいかなかった。
まどかには、スゥに話さなければならないことがあった。
以下略



363: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:29:52.71 ID:ZBJljBKH0
「ごめんね、スゥちゃんだけでもどうにか返してあげたかったんだけど……無理みたいなんだ」

「いいよ。まどかとずっと一緒に居られるんだから。人類はもう救われた。
 だったらもう、私はまどかが居てくれればそれだけでいいから」

以下略



364: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:30:13.84 ID:ZBJljBKH0
繋いだ手と手が分かたれる。そして急速に、スゥの存在と身体が消失していく。

「何なの……まどか。まどかなの?」

それはまどかの転移にも似ていた。
以下略



365: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:30:42.06 ID:ZBJljBKH0
その叫びは、まどかの胸をきりきりと締め付けた。
離別の苦痛。永遠の孤独。待ち受けるそれがまどかを苛んだ。
引き止めたい。一人は嫌だ。もう一度手を伸ばしてスゥを掴まえたい。
側にいてほしい。思いはどんどん募っていった。

以下略



366: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:31:10.01 ID:ZBJljBKH0
目が覚めると、そこには宇宙が広がっていた。
そよぐ風が頬を撫でる。よく見れはそれは宇宙ではなく、星空だった。
虚ろに伸ばしたその手は、確かに星空に向かって伸ばされていた。

呆然と辺りを見渡した。そこは静かな草原だった。
以下略



367: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:32:30.73 ID:ZBJljBKH0
「私の存在が生み出した少女達を助けたい、か。
 ……本当におかしなことを願ったのだね、キミは。スゥ=スラスター」

死を迎えた肉体から離れ、弱弱しく輝くスゥ=スラスターのソウルジェム。
その輝きを見つめながら、キュゥべえは呟いていた。
以下略



368: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:33:06.54 ID:ZBJljBKH0
「……そう、そんなことが」

グランドフィナーレに身を預けて、スゥとほむらが並んで座る。
もはやそのどちらにもかつての確執などは存在していない。
ただほむらは静かに、スゥの独白に耳を傾けていた。
以下略



369: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:33:32.40 ID:ZBJljBKH0
「なら、確かめに行きましょう」

いつしかほむらは、スゥの眼前に立っていた。
その表情にはもう、苦痛に歪んだ色はない。

以下略



370: ◆HvWr2kWl99Dz[saga sage]
2012/05/03(木) 01:34:03.01 ID:ZBJljBKH0



バイドの沈黙から48時間後、地球圏及び火星圏のバイドの掃討が確認され。
引き続き太陽系内のバイドの掃討を開始すると共に、地球連合軍はオペレーション・ラストダンスの終了を宣言。
以下略



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