過去ログ - 魔法少女隊R-TYPEs FINAL2〜ティロ・フィナーレの野望〜
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:08:51.79 ID:gWRHFoUH0
彼らは望まぬ死を押し付けられたその表情で、口々に怨嗟の声を漏らす。
けれどその声は、確かな意味のある言葉としてさやかの元へは届かなかった。
それも当然と言うもの、彼女は彼らの声などまるで知らぬ。
彼女がアークを訪れたとき、彼らのほとんどは既に事切れてしまっていたのだから。
だとすればその声は一体何なのか、そんなことは誰にも分かりはしなかった。
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428
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:10:07.80 ID:gWRHFoUH0
「さやかっ!おい、しっかりしろ、さやかっ!」
力強く身体を揺さぶる手、そして自分の名を呼ぶ声。
飛び起きたさやかの意識が最初に感じたのはその二つだった。
そして目を開けると、そこには。
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:10:54.34 ID:gWRHFoUH0
「あんた……一体今までどこほっつき歩いてたってのさ!勝手にいなくなったりしてっ!」
途端に飛んできたのは怒声である。
土星に近しいこのリリシアンにおいても、その怒声はやはり変わることなく杏子の鼓膜を振るわせた。
何故だかはわからないが、その声が杏子にはなにやら愛おしく感じられた。
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430
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:12:03.17 ID:gWRHFoUH0
「まあ、そういうわけらしくてさ。……要するに、今のあたしはいつ死んでもおかしくないんだってさ」
ようやく全てを語り終えると、当然のようにばつが悪そうに杏子は佇んでいた。
結ばれた手と手は、なんとなく別れる機を逸したかのように今でも繋がったままである。
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431
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:12:38.18 ID:gWRHFoUH0
そんな言葉に、さやかは一つ大きく溜息を吐き出して、そして。
「……あたしの答えはもう伝えてあるはずでしょ。あたしはあんたと一緒に生きていきたい。
だから、一緒に行くってさ。……あんなに泣きながら喜んでた癖して、またそんなこと尋ねますかねこいつは」
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432
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:14:19.60 ID:gWRHFoUH0
これはたまらぬと目を開くさやか、すると目前には杏子の顔があって。
最高潮にまで高まっていたその羞恥やらなんやらが、一気にぱちんと弾けてしまった。
まさしく弾かれるかのように仰け反り、そのままベッドから転げ落ちてしまったのである。
「あ……さや、か」
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433
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:14:47.95 ID:gWRHFoUH0
「ああ、やっと繋がったわ。って、キョーコじゃない!?貴女いつの間に戻ってきてたのよ?」
その端末が映し出した顔は、杏子の良く知る顔だった。
彼女は杏子と同じくリリシアン自警団で戦う兵士であり、ひょんなことからさやかとも交友を持っていたのである。
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434
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:15:17.91 ID:gWRHFoUH0
「現時刻を持って、私達は魔法少女隊として地球連合軍の非人道的行為に対して反抗を開始するわ」
それは、ルナベース6襲撃に対する対応に追われる地球連合軍の間隙を縫って放送されたものであり
魔法少女と言う地球連合軍が抱えた闇を知らしめると同時に、魔法少女隊による地球連合軍への宣戦布告でもあった。
その声の主は、やはり二人にとってもよく知った声。まさしくマミのそれであった。
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435
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:16:18.30 ID:gWRHFoUH0
「あたしは、もうマミさんにも他の魔法少女達にも死んで欲しくない。
……でもあれじゃあ、きっと戦わなくちゃ生き残れないんだよね、魔法少女達は」
砂嵐の画面をじっと見つめて、さやかは呻くようにして呟いた。
その心に渦巻いていたのは、恐らく義憤と呼ばれるものだったのだろう。
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436
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◆HvWr2kWl99Dz
[saga sage]
2012/05/14(月) 21:17:59.86 ID:gWRHFoUH0
「それにさ、うなされてたのだって別に戦うのが怖いとかそういうんじゃないんだ。
……多分あれは、まだ私の中でけじめがついてないだけだと思うから。
そのためにも、この戦いは終わらせなくちゃいけないんだ。……だから、行くんだ」
そう、夜毎さやかを苛むあの夢。それを生み出していたのはさやか自身の自責の念でもあったのだ。
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