過去ログ - 朋也「ヴァイオリンの音色……?珍しいな……」
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11:
2012/03/30(金) 20:16:04.92 ID:S2fDDXur0
演奏が終わる。それまで椅子に座って聴いていた俺は、やはり拍手を送る。
仁科の近くに座っていた杉坂も、拍手をしていた。しかし杉坂は、どことなく元気がなかった。

朋也「良かったよ、演奏。やっぱり、俺、仁科の演奏気に入ったみたいだな」
仁科「あ…ありがとうございます」
以下略



12:
2012/03/30(金) 20:19:05.24 ID:S2fDDXur0
杉坂「……いえ。そういうわけではないんですが……。ただ……。……いえ、なんでもありません」

なにやら濁したような気がしたが、あまり深く追求しないようにしよう。

朋也「じゃあ、またな」
以下略



13:
2012/03/30(金) 20:21:59.61 ID:S2fDDXur0
次の日の放課後。今日も演奏を聴かせてもらおうと思い、旧校舎に足を向けていた。
と、その途中。見知った顔があった。

朋也「杉坂……」

以下略



14:
2012/03/30(金) 20:24:38.19 ID:S2fDDXur0
朋也「仁科がどうかしたか?」
杉坂「仁科さんに、あまりヴァイオリンを演奏させないであげてほしいんです」
朋也「どうして」

本人がいないから、突っ込んで話を聞く。
以下略



15:
2012/03/30(金) 20:27:31.77 ID:S2fDDXur0
杉坂「おねがいします。聴きに来ないでとまでは言いませんから、せめてりえちゃんが自分で演奏しているときだけ聴きに来てください。
   岡崎さんが来ると、りえちゃん、また無理して演奏しちゃうだろうから……」
朋也「……わかったよ。ヴァイオリンの音色が聴こえてきたら、邪魔するよ」

結局深い話は聞かず、それだけ約束した。
以下略



16:
2012/03/30(金) 20:28:56.95 ID:S2fDDXur0
杉坂の忠告を受けた俺は、放課後に旧校舎へ足を向けることもなくなっていた。そのまま、数日が過ぎた。
登校中。俺がだらだらと歩いてると、後ろから声を掛けられた。

声「あ……岡崎さん」
朋也「ん?」
以下略



17:
2012/03/30(金) 20:31:01.41 ID:S2fDDXur0
杉坂の言っていた通りだった。こいつは、誰かに自分のヴァイオリンの演奏を聴いてもらうのを、楽しみにしているのだ。
杉坂の方を見ても、顔をうつむかせたままこっちを見ようとしない。

朋也「ああ……悪いな。土曜と昨日は、ちょっと忙しかったんだ」
仁科「そうですか……。今日は、どうですか?来る時間は、ありそうですか……?」
以下略



18:
2012/03/30(金) 20:34:37.80 ID:S2fDDXur0
そして昼休み。二年の教室の並んでいる階までやってきた。
適当に歩いてる奴を捕まえて、二年の杉坂って奴、どこにいるか知らないか、と聞いて回った。

男子生徒「ああ、杉坂なら、たぶん旧校舎の空き教室に行ったんじゃないかな」
朋也「マジかよ……」
以下略



19:
2012/03/30(金) 20:36:43.08 ID:S2fDDXur0
朋也「前におまえが言ってた通り、俺のほうからは行かなかったけど、今日はどうすればいい?朝の様子だと、仁科は俺が来ると思っているに違いないぞ」
杉坂「そうなんです……。私も、困りました。仁科さん、岡崎さんが土曜から来なくなってから、ずっと気にしてるんです。今の私の演奏じゃ誰も惹きつけられない、という感じで……」

杉坂は悲しそう顔をしていて、今にも泣き出しそうだった。

以下略



20:
2012/03/30(金) 20:39:25.11 ID:S2fDDXur0
朋也「とりあえずは、あいつの思うようにやらせてやったほうがいいんじゃないのか?」

仁科の事を考えると、裏で杉坂とこういう風に話をしているのを知ったら、それはそれで悲しむだろう。
自分の都合のせいで、友達を困らせているのだから。

以下略



21:
2012/03/30(金) 20:41:36.98 ID:S2fDDXur0
その日。仁科達とは別件で、少々やっかいな問題が起こっていた。
古河渚。ふとしたきっかけで、俺は彼女の演劇部設立の手伝いをしていた。
部を設立する為には、いくつかの条件を満たさなければならない。
少なくとも三人以上のメンバー。部の顧問。そして、部室の用意だ。
部室の用意と、三人以上のメンバーは確保出来ていた。当人である古河に、俺の知り合いの藤林姉妹。
以下略



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