15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:24:43.90 ID:z/IdN2wF0
 貴音「何か気付くことはありませんか、天海春香?」 
  
  ふてくされる春香に貴音が声をかける。 
  
 春香「何かって? ってあれ? 真美ってこんな大きかったっけ? それにプロデューサーさんも妙にダンディだし……。あれ、なんでだろ?」 
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2012/04/27(金) 22:27:26.42 ID:z/IdN2wF0
 貴音「あなた方は、10年の時を経て羽田へと帰ってきました。これはまさしく奇跡としか言いようがありません」 
  
 やよい「どういう意味ですか?」 
  
 意味が分からないと言った顔をするやよい。そりゃそうだろう、俺だって急にこんなことを言われたら理解が追いつかない。 
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2012/04/27(金) 22:29:45.98 ID:z/IdN2wF0
 それぞれが事実を受け入れれたかは分からないが、10年ぶりの再会に涙する遺族達。そんな中―― 
  
 響「ええ!? にぃにぃと結婚!?」 
  
 あずさ「黙っててごめんなさい……」 
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2012/04/27(金) 22:35:33.91 ID:z/IdN2wF0
 春香「あ、あの……。プロデューサーさん、美希はいないんですか?」 
  
 響のほうを見ていると、後ろから春香が声をかけてきた。声にさっきほどの怒りは感じず、少しだけホッとする。 
  
 P「アイツは仕事中だ」 
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:43:07.50 ID:z/IdN2wF0
 貴音「さて、説明に移ります前に、1つ心の準備をお願いします」 
  
 P「心の準備? どういうことだ?」 
  
  ただ事ではない口ぶりに、部屋に集まった乗客、遺族達がざわめきだす。 
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:47:15.31 ID:z/IdN2wF0
 貴音「ところで、402便は消失する前に大きな揺れに襲われたと聞いています」 
  
 やよい「すっごく怖かったです! 死ぬかと思いました」 
  
 亜美「やよいっち高いの苦手だもんね→」 
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:49:35.75 ID:z/IdN2wF0
 貴音「あなた方が体験した急激な揺れは、402便が時間軸のねじれに吸い込まれ、吐き出されたからなんです」 
  
  それは突拍子もない事実。時間軸のねじれ? 空想科学の話じゃないのか? 
  
 貴音「飛行機が、何らかの理由で光の速度に限りなく近い速さまで加速すれば、飛行機の中で1時間経つ間に、外では10年経つ、と言うのは一応説明可能です」 
22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:53:49.54 ID:z/IdN2wF0
 貴音「402便乗客、乗員に残された時間は、……残り8日です」 
  
 P「どういうことだよ……」 
  
 貴音「8日後、402便に乗っていた者は再び消えてしまう。元に戻るのです」 
23:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:56:57.78 ID:z/IdN2wF0
 貴音「皆様としても言いたいことは山ほどあるでしょう。私とて信じたくありません。ですが、ご理解いただきたいのです。自身の置かれている状況を。そして、残された時間を有意義に使って欲しい、死刑宣告のしたいわけじゃないと。私の願いはそれだけです」 
  
  全ての怒りの矛先が向こうとも、貴音は最後まで説明を続けた。その真摯な姿に、聴衆たちも落ち着きを取り戻していく。どれだけ彼女を責めたとしても、残された時間は伸びない。 
  
 貴音「どうか残り8日、悔いのない毎日を……」 
24:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 22:59:54.07 ID:z/IdN2wF0
 小鳥「お帰りなさい。皆が帰ってくるのを、テレビで見てました」 
  
  765プロに帰った俺を、小鳥さんが迎えてくれる。ホワイトボードを見ると、美希はもう帰ったようだ。 
  
 小鳥「美希ちゃんも一緒にテレビを見ていたんですが……。少し前に帰っちゃいましたね。みんなは?」 
25:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/04/27(金) 23:04:54.51 ID:z/IdN2wF0
  貴音の話が終わった後、その場にいたほぼ全員が泣き崩れた。アイドル達も、残された家族も、残酷な現実に何も出来ない貴音も。最後の一週間、俺達は有意義に過ごすことができるのだろうか? 
  
 P「明日アイドル達は事務所に来ます。そこでこれからどうするかを話したいと思います」 
  
 小鳥「分かりました。明日までには泣き止んできます。あーあ、化粧落ちちゃった」 
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