267: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:15:39.45 ID:2ytvna2r0
黒崎「飾利ちゃんは俺の後ろに回ってくれ。何かあったらいけねぇから」
初春「は、はい」
268: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:16:19.60 ID:2ytvna2r0
あの時――美月サンに強制的にやらされた、生徒会室の掃除。
刻命や、島田も付き合わされて、大掛かりにやって。
大方片付いた所で――あのおまじないをやって。
269: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:16:46.52 ID:2ytvna2r0
黒崎「……開けるぞ」
初春「ええ……」
270: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:17:21.71 ID:2ytvna2r0
271: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:17:48.37 ID:2ytvna2r0
不快感を催しそうな、甲高い軋みを上げながらも――右方向へとスライドした。
図工室の内部の照明は、一つも灯っていない。
背後にある、廊下の蛍光灯が――入口付近の床と、その前で身を固くしている黒崎と初春の二人に、無機質な光をただ照らしつけていた。
272: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:18:46.74 ID:2ytvna2r0
しかし、二人の目を引き、戦慄させたのはそれではなかった。
先程とは違う、もう一つの点。
並ぶイーゼルを円周と見立てると、その中心にあったもの。
273: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:19:46.51 ID:2ytvna2r0
黒崎「げっ!!」
全身に悪寒が走る。
274: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:20:40.59 ID:2ytvna2r0
ゴキブリの群れは、彼らに迫ることはなかった。
先程まで突っ立っていた辺り――ちょうど入ってきた引き戸の前の床を埋め尽くしだす。
275: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:21:13.25 ID:2ytvna2r0
棚が並んだ区画を過ぎて、教室の最後部まで目をやる。
そこには、入ってきた所と同じ、木製の古ぼけた引き戸があった。
ぴっちりと閉じられている。
276: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:22:31.33 ID:2ytvna2r0
初春(多分、血を垂らしながら……ここまで来たってことですよね)
引き戸の前で、床に付着したシミはいくつも付いていた。
密度もそれまでよりも増している。
277: ◆IsBQ15PVtg[saga]
2012/10/04(木) 01:23:51.35 ID:2ytvna2r0
初春(教室の中もそうですけど……こんな血痕、なかったはずです)
床の上の血痕をじっと見詰めながら、なおも思考をめぐらせていた。
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