1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:13:34.31 ID:quBCikdvo
1
2002年夏―
週末の昼過ぎ、一年半ぶりの夜見山。
僕、榊原恒一は高校卒業後、希望通り美術系の大学に進学した。
夏休みになったことと、父親が一ヶ月ほど研究のため海外に行っているので
こうして夜見山に戻ってきているというわけだ。
夜見山に住んでいたのはわずか一年間のことだが、いろんな意味でここは僕の故郷なんだろうな。
しばらく川沿いに歩いた後、鞄からスケッチブックを取り出す。
昨日強い雨が降ったらしく、かなり地面が湿っていたが、構わず座ってスケッチを始める。
絵を書くのはあまり得意ではないが、夜見山に来た時には何枚か描くことにしている。
今回の旅行には、三つの目的がある。
一つは夜見山の景色を見ること、早速達成されたが、まだまだ行きたい所は残っている。
二つ目は中学校時代の同級生と会うこと、今日の夜、勅使河原の家に皆集まってくれるらしい。
三つ目については、明日の朝あたりに実行する予定だ。
(そろそろ時間かな)
時計を確認すると、もう少し余裕があったが、少々早めに行っても構わないだろう。
スケッチブックを片づけ、立ち上がる。
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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:17:20.00 ID:quBCikdvo
すると、川原の上の道に女の子が一人歩いているのに気がついた。
夜見北の制服を着ている、どうやら部活帰りのようだ。
その子はよそ見をしながらスキップするような足取りで歩いていて……
3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:19:58.63 ID:quBCikdvo
榊原「そんな事言っても……とりあえずこのハンカチで血ふきなよ」
綾野「あ、ありがとうございます」
4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:21:35.19 ID:quBCikdvo
綾野「ちょ、ちょっと待ってください」
榊原「どうしたんだい?もしかしてほかにも怪我したところとかあるの?」
5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:23:36.61 ID:quBCikdvo
川原にいる間に、随分時間が経ってしまったようだ。
まあ、多少の遅刻ならお咎めはないだろう。
ここから歩いて二十分くらいかかるだろうか
6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:24:58.57 ID:quBCikdvo
三階に上がると、部屋の入口の前に見崎は立っていた
見崎「久しぶり……榊原くん」
7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:26:29.73 ID:quBCikdvo
見崎「とりあえず紅茶でいいわね、どうぞ」
榊原「ああ、ありがとう」
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:29:17.35 ID:quBCikdvo
「そうね……確かに……ここは全然変わらない、そう見えるわね」
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:30:21.86 ID:quBCikdvo
榊原「………………」
見崎「なんて、冗談よ、半分はね」
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:33:37.65 ID:quBCikdvo
コンコンとドアをノックし、霧果さん――見崎鳴の母親が入ってくる
霧果「いらっしゃい、恒一くん、ひさしぶりね、ゆっくりしていって」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 00:34:36.74 ID:quBCikdvo
霧果「じゃあ私は奥にいるから」
ちょっとしてから霧果さんは自分の部屋に戻った。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2012/05/19(土) 07:39:08.28 ID:iOf730xe0
続きはよ
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 23:58:20.45 ID:quBCikdvo
投下再開
14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/19(土) 23:59:36.06 ID:quBCikdvo
見崎が指さした先には、茶髪でショートカットの女の子の人形があった。
黄色のワンピースを着て、椅子の上に座っている。
15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:06:38.11 ID:5OkhKKO/o
その後も一年半の間に霧果さんが作った人形を一つ一つ見ていった。
それほど量があるわけではなかったが、あの人の作った人形を鑑賞するのは、かなり体力を消耗する。
見崎「そろそろ時間ね、いきましょう」
16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:10:34.29 ID:5OkhKKO/o
外は小雨が降っていて、傘を持たなければならなかった。
勅使河原の家までそれほど遠くはないのが救いだ。
雨の中、二人で歩いて行く、中学の時以来だろうか。
17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:15:51.79 ID:5OkhKKO/o
勅使河原の家が見えてきた、夜見山の民家はどこも大きく、広い庭がついているのが当たり前。
東京では考えられない感覚だが、勅使河原の家も例外ではない。
呼び鈴を鳴らすと、家の奥から勅使河原が走ってくるのが外からでも分かる。
18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:20:17.87 ID:5OkhKKO/o
望月「恒一くん、久しぶり」
望月は中学生の時の見た目のまま大きくなっていた。
19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:21:06.09 ID:5OkhKKO/o
和久井「久しぶり榊原くん、僕のこと……覚えてるかな……」
和久井くんは色白で長身だ、今では僕も同じぐらいの背丈になったけど
20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:23:55.14 ID:5OkhKKO/o
ミスった
>>19
和久井「久しぶり榊原くん、僕のこと……覚えてるかな……」
21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(富山県)
2012/05/20(日) 00:25:16.46 ID:5OkhKKO/o
千曳先生の作った料理は見た目に違わずとても美味しかった。
あとでレシピを聞いてもいいかもしれない。
もう少し皆と昔話をしたかったのだが、
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