27:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:50:11.53 ID:r4TzUWFEo
 訂正 
  
 11-2 延ばそう → 伸ばせそう 
28:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:50:40.58 ID:r4TzUWFEo
  
  別にどうだっていいような話なのだけれど、俺には友人がひとりしかいない。 
  ちょっと言葉を交わす程度の知り合いなら少なくはないのだが、友人と呼べるのはひとりだけだ。 
  俺は彼のことを「モス」と呼んでいて、彼は俺のことを「マック」と呼んだ。 
  由来に関しては、まぁどうだっていいようなことだ。 
29:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:51:07.01 ID:r4TzUWFEo
  
 「オサキ」と俺は答えた。 
  
 「オザキ?」 
  
30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:51:33.18 ID:r4TzUWFEo
  
  あとになって冗談だったと弁解したのだが、その頃には彼の方がその名前を面白がってしまい、俺のことを「マックラ」と呼び始めた。 
  
  やがて短くなる。マック。 
  
31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:52:57.87 ID:r4TzUWFEo
  
  妹が口をきいてくれなくなってから、俺は必死になって妹にちょっかいをかけた。 
  
 「学校はどう?」と夕食のときに訊ねてみたり、勉強をしている妹に緑茶を差し入れてみたり。 
  妹は「んー」と頷いているのか唸っているのかもわからない声を微かに返してくれた。そのことに俺は少し安堵した。 
32:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:53:26.72 ID:r4TzUWFEo
  
  俺は正直に答えた。 
  
 「おっぱい」 
  
33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:54:00.81 ID:r4TzUWFEo
  
  俺は丁寧に説明することにした。といっても、説明する事柄なんてそう多くはなかったのだけれど。 
  なんだか唐突に触ってみたくなったから触ってみた。そしたら口をきいてもらえなくなった。それだけ。 
  
 「……バカかお前は」 
34:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:54:43.79 ID:r4TzUWFEo
  
  モスは呆れきったように溜め息をつく。彼は几帳面で生真面目な性格をしている。 
  勉強はできるし人当たりもいい。友達だって多い。何かとクラスメイトに頼りにされる。 
   
  そんな彼と、クラスでも浮いている自堕落な俺が友人同士というのは、少し奇妙なことだ。 
35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:55:16.37 ID:r4TzUWFEo
  
 「お前はさ、別に悪い奴じゃないんだけど、短気だし、無愛想だし、思慮が足りないし、無神経だ」 
  
  モスは言う。お前の言葉が無神経だと言い返そうか悩んだ。が、だいたい合ってる。 
  割と傷つくものの、事実なのだから仕方がない。 
36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/05/26(土) 00:56:32.49 ID:r4TzUWFEo
  
 「俺は別にお前が憎くてこんなことを言ってるんじゃないぞ。お前が損してるって言ってるんだよ。根はいい奴なのに」 
  
  良い奴ではないよ、と俺は思った。人に迷惑はかけるし、開き直るし。 
  でも、彼がそう思ってくれているなら、あえて否定することもないだろう。そこまで卑屈にはなりたくない。 
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