822:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:55:29.94 ID:B/yKFTgZo
「ああ?」
と俺は間抜けな声を出す。どうしてそうなる?
823:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:56:02.37 ID:B/yKFTgZo
「だってさ、あなた、あの子のこと好きじゃないでしょ?」
「……何言ってんの、お前は」
824:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:56:52.04 ID:B/yKFTgZo
「教えてあげる。わたしだってこの一年、努力はしてきたんだよ。たくさん」
彼女の息は白い煙を伝って音となり、俺の鼓膜を揺する。
825:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:57:18.73 ID:B/yKFTgZo
殴られたような衝撃を覚える。
強く認識する。
なにひとつ終わってなんかいないのだ。
826:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:58:01.33 ID:B/yKFTgZo
だから、と彼女は続ける。
「悪いけど、わたしはあなたに気を遣ったりするつもりはないよ」
827:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:58:32.57 ID:B/yKFTgZo
「いまさらそんなこと言われたって、どうしようもないよ。お前は俺のことなんてちらりとも考えてなかったじゃないか」
「そうかもね」
828:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:59:10.89 ID:B/yKFTgZo
溜め息をついた。肩をすくめた。頭を振った。もうどうしようもねえな、と言いたい気分だった。
「悪いけど、追いかけなきゃならない」
829:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 15:59:45.08 ID:B/yKFTgZo
怖気が走る。
自分の愚かさと、この女の賢しさに。
十五やそこらの子供が、なぜそんなことをできたのだ。
830:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 16:00:49.67 ID:B/yKFTgZo
「言ったよ。もちろん、あなたと付き合うようになったあとに」
アキは平然と言う。
831:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 16:01:16.56 ID:B/yKFTgZo
「あの子、意外と人を疑うってことを知らないよね」
ある種の問題は対話によっては決して解決できない。そしてそういった問題ほど、暴力によって解決できる場合が多い。
そして更に多くの場合、それはどうやったところで、暴力以外の手段では解決できない。
832:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/03(火) 16:02:10.31 ID:B/yKFTgZo
つづく
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