過去ログ - 少年「うああ!襲いくる!あれが噂の紫ババアだ!」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:03:35.90 ID:lNvkrDcIO
少年「どこまで!どれだけ逃げればヤツは諦めてくれるのか!いったいどれほどの時間を……!!!?」
紫ババア「キシャアアアア!!!」
少年「いや!それ以前に今の時点でどれだけ走り続けているのか!?」
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:04:41.59 ID:lNvkrDcIO
少年「手っ取り早いのは紫色のものを突きつけること!!だが!!俺は全身眩いばかりの金色!!紫色など一つも見当たらない!」
ポケットをまさぐっても金色のゴミしか出てこないことに少年は苛立った。
だが、すべての打開策が絶たれたわけではない。
少年は思い直し、背中の金色に塗られたランドセルの中身に注目する。
以下略
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[sage]
2012/07/05(木) 00:04:56.63 ID:kvYj2b+SO
おい、まさかキシリア様の事じゃないだろうな
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:05:10.95 ID:lNvkrDcIO
少年「うああああああ!!!全部が金色の表紙だったことから嫌な予感はしてたんだあああ!!」
紫ババア「キシャアアアア!!!」
なんという非常識!
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:07:07.54 ID:lNvkrDcIO
少年は荷物を投げ捨て、走ることに集中することに決めた。
これ以上自身の荷物からはなんの打開策も見出せないと判断したからである。
角を曲がり、交差点を避け、道路を突っ切り、とにかく走りまくった。
しかし、荷物を捨てて走り始めてから一分後、いまだに最高時速を維持し続けているはずの少年に、戦慄走る。
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:07:34.56 ID:lNvkrDcIO
少年は耳を疑った。
少年「何……だと……!!?」
紫ババア「キシャアアアア!!!」
以下略
12
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:08:06.26 ID:lNvkrDcIO
少年「うああああ!!」
紫ババア「キシャアアアア!!!」
身近に迫ってきた死という未知なる恐怖を前にして、少年は絶叫した。
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:09:00.50 ID:lNvkrDcIO
『しげ坊、こっちにおいで』『お前はいい子だねえ』『嘘はついちゃいけないぞ』
『つまりここの数式をこうするとこうなりますね』『桜さん、また提出物を忘れたんですか』『『『アハハハハ』』』
『藤木!お前なに笑ってんだよ!!』『あたしゃあんたにだけは笑われたくないよ!』『引っ込めヒジキ!』
『引っ込めブー!』『『『ひっこーめ!ひっこーめ!』』』
『うわ……藤木が全身金色で登校してきた……』『なにあれ引くわー……』
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:09:38.34 ID:lNvkrDcIO
紫ババア「あんたらがババアババア言うからだろうがあああああああああああ!!!!」
少年が絶叫と同時に死を覚悟して立ち止まった瞬間、紫ババアが始めてはっきりと言語と認識できる言葉を吐いた。
少年の心臓が一瞬跳ね上がり、全身が雷に貫かれたときのように固まる。
以下略
15
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:10:11.43 ID:lNvkrDcIO
少年は当初は絶句し振り返ることすらできず、ただ、背後の妖怪の哀しき心情の吐露を聞くだけであった。
ただ、時間が経過するに連れてそこに驚愕と恐怖以外の、まったく別の感情が入り混じりつつあった。
同情。
深い絶望に迷い込んだ哀れな霊の境遇に対する同情心が、彼の歯の震えを止めた。
頭に血が登り、脳が膨れ上がり、恐怖心を押さえ込む。
以下略
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/05(木) 00:10:43.35 ID:lNvkrDcIO
少年「……僕だって」
紫ババア「……」
少年「僕だって……同じだよ」
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