4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/18(水) 16:49:14.51 ID:clEHf3P+o
托鉢笠をかぶった僧が一人。
跳ね上がった水は大粒となって彼にも降り注いだが、委細構わずといった風情で佇立していた。
黒衣の裾から伸びた手が笠を持ち上げ、細く鋭い目は夜闇に流れる河川を追った。
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2012/07/18(水) 16:49:49.06 ID:clEHf3P+o
―――――――――
私は只々呆然としていました。
大勢の人間が窮屈そうな出で立ちで、足早に歩き回っています。
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2012/07/18(水) 16:51:08.41 ID:clEHf3P+o
水の音に引かれて貧弱ながらも木々の生えた土地を見つけました。
中央にある水溜りを縁取った石に座りますとため息が漏れてしまいました。
「はぁ……、これからどうすればよいのでしょうか……」
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2012/07/18(水) 16:51:39.93 ID:clEHf3P+o
私は手ごろな石を拾って握り締めました。
半分ほど力を込めると石に亀裂が入りました。
8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/07/18(水) 16:52:39.59 ID:clEHf3P+o
「どうしたのかね?何かお困りのようだが」
「……私でしょうか?」
初老の紳士が話しかけてきました。
9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:54:09.08 ID:clEHf3P+o
「ふむ……。お嬢さんよろしければお食事でもどうかね?
こんな年寄りが相手は退屈させてしまうかもしれないがね」
はしたなくも下を向いたまま舌なめずりをしてしまいました。
10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:54:34.78 ID:clEHf3P+o
「では……」
私はめにうの端を指差し
「はい豚骨ラーメンですね!」
11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:55:51.02 ID:clEHf3P+o
「私は高木と言う。しがないアイドル事務所で社長をしている」
私の食べっぷりに初めは驚き、やがて眼を細めながら見守っていた高木様は自己紹介をしました。
12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:56:16.66 ID:clEHf3P+o
「もし、もしよかったらウチに来てみないかね」
高木様には一飯の恩義があります。
力を回復するためにねぐらも要りましょう。
13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/07/18(水) 16:56:56.71 ID:clEHf3P+o
765プロの事務所を見て私は―――高木様風に言うならば―――ティン! ときました。
事務所の地下を走る水脈は複雑に絡み合い、龍穴となって気に満ちておりました。
ここを拠点とすれば失った力が戻るのもそう長くはかからないでしょう。
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