過去ログ - 奉太郎「守りたいもの」
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14: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/03(月) 23:06:36.75 ID:RP1Kzn930
 いや……。そういえば。
 俺はポケットからそれを取り出す。昨日偶然拾ったそれを。

「俺も持ってるんだ」

以下略



15: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/03(月) 23:07:26.08 ID:RP1Kzn930
「いやいや、いいんだよ。お二人とも、お幸せにね」

「だから、そんなことはなくてですね――折木さんも何か言ってくださいっ」

 慌てて弁明する千反田などそう易々見られるものではない。俺はもう少し見ていたかったが、助け舟の要請が来た以上、応じなければなるまい。
以下略



16: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:15:27.00 ID:kQdfAHEF0
「千反田さん、ケータイの登録はしたかな?」

 思い出したふうに里志が言う。
 携帯電話の登録? 自転車の防犯登録みたいなやつか?

以下略



17: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:16:22.21 ID:kQdfAHEF0
「あの、福部さん。携帯電話の登録ってなんでしょうか?」

 おずおずと千反田が尋ねる。

「総務委員会の仕事なんだけどね。最近はほとんどの学生が携帯電話を持ってるし、持ってきている。もちろん校則違反ではあるけど、先生たちだって見て見ぬふりだ。
以下略



18: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:20:44.32 ID:kQdfAHEF0
「最近の携帯電話ってのは多機能なんだよ、ネットにつなげたり、カメラもついてる」

「それくらいわかる。バカにするな」

「ごめんごめん。で、千反田さん、登録はしてないみたいだね」
以下略



19: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:25:06.10 ID:kQdfAHEF0
 咄嗟に席を立った。最早条件反射といってもよい。

「あ、違うんです折木さん。携帯電話のことで聞きたいことがあって……」

 その後の古典部の活動は、千反田に携帯電話の使い方を教える時間となった。メール、電話、カメラといった基本的な事項を教え終わったころ、完全下校のチャイムが鳴る。
以下略



20: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:28:26.69 ID:kQdfAHEF0
―――――――――――――――――――――


 次の日、また生徒が襲われた。またも女子生徒で、塾からの帰り道をやられたという。
 二人目、しかも連日でとなると、ちょっとした騒ぎどころでは済まない。記者は取材に来るし、全校集会もあった。警察も聞き込みに来ていたらしい。
以下略



21: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:29:32.85 ID:kQdfAHEF0
 農家ネットワークのトップにいるのが千反田家だ。考えてみれば確かに、リーダーとしての仕事がこの時期に重なるのかもしれない。
 どのような仕事をしているのか、俺には想像もつかない世界だ。農家と言えば年がら年中土と触れ合うばかりのイメージしかないが、それだけで作物が売れるなら、みんな農家になっていることだろう。

「大変だ」

以下略



22: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:30:32.10 ID:kQdfAHEF0
「……」
「……」

 そのまま十秒もたっぷり待って、慌てて千反田が立ち上がった。

以下略



23: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/05(水) 15:31:27.25 ID:kQdfAHEF0
「……何がだ」

 最早抵抗する気をなくした俺は、ならば可能な限り省エネにと、進んで千反田の先を促す。

「私はさきほど職員室に行きました。そしたら、福部さんがいたんです」
以下略



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