過去ログ - 奉太郎「守りたいもの」
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48: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:46:39.54 ID:N0EcB9ms0
 里志に携帯電話を渡しながら、考えを整理しつつ呟く。思考は言葉に出して初めて実態を持つ。あえて言葉に出すべきこともある。

 それが里志を誘った理由だ。

 青になった。考えながら歩く俺の速度は随分と緩やかだ。里志は何も言わずに隣を歩いてくれている。時折流し目で微笑みながら。
以下略



49: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:47:42.58 ID:N0EcB9ms0
 携帯電話が物的な重要証拠となるためには、二つの条件をクリアしなければいけない。

 一つ、携帯電話の中に重要な証拠が残されていること。
 二つ、それは誰しもがわかるような形で保存されていること。

以下略



50: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:49:00.61 ID:N0EcB9ms0
 そうだ。そのとき携帯電話は俺の手の中にあった。

 A君はこう思ったに違いない。あの女子生徒が持っているはずだ、と。
 ブレザーを着ているのだから、学校の特定は容易だ。学校に電話をすれば、それほど時間がかかることなく持ち主のあぶり出しは可能だろう。そしてA君はそれを阻止したかった。なんとか内密に自らの手に戻したかった。

以下略



51: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:50:04.48 ID:N0EcB9ms0
 だが、どうだろう。俺は頭を捻る。携帯に証拠が残る類の犯罪は、かなり限定される。突発的な殺人や強盗では、ありえない。
 それは常習的な、あるいは計画的な何かだと考えられる。それこそ麻薬売買であるとか、売春斡旋であるとかだ。

 かわいらしい部類ではカンニングと言う線もありうる。いや、彼がブレザーを着ていたことから考えると、彼は有名進学校の生徒である。
 俺たちには縁のない考えだけれど、それほどまでにテストの点数が欲しいのかもしれない。
以下略



52: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:53:13.01 ID:N0EcB9ms0
「……」

 ない。
 いわゆる教科書だとかカンニングペーパーらしきものは見当たらない。

以下略



53: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/12(水) 23:59:41.49 ID:N0EcB9ms0
投稿はここまでです。
次回で第二の謎解き、第三の謎まで投稿できると思います。


54:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[sage]
2012/09/13(木) 00:00:23.54 ID:uNXrTemmo
楽しみにしてますぞい


55: ◆axh.jP1Twpjg[sage]
2012/09/13(木) 19:57:33.53 ID:AGw/Lyx+0
支援します!


56:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2012/09/13(木) 23:31:25.04 ID:Ji/tpTPF0
このss書いてる人は、もしかして「古典部の日常」っていうssを書いてる人と同一ですか?


57: ◆yufVJNsZ3s[saga]
2012/09/14(金) 11:43:17.49 ID:ojYOkXiS0
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 ホットコーヒーを二つ頼んで席に着くと、里志は早速データフォルダを閲覧しだした。

 時間にして五分ほど見ていた里志は、顔をあげて首を横に振る。
以下略



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