938: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:46:58.45 ID:eVP4bQtW0
……だが、状況は最悪を極めていた。
何が最悪なのかと言うと……
俺はここ数年、自分でもいつからかは分からないが、モットーを掲げてきていた。
939: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:47:26.23 ID:eVP4bQtW0
千反田はそう言い、ベンチから腰を上げる。
俺もそれにつられ、腰を上げた。
公園を出て、千反田は再び俺の方に振り向く。
940: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:47:56.37 ID:eVP4bQtW0
……そうか、俺は本当に、どうしようもない馬鹿だ。
なんで、なんでそんな簡単な事も分からなかったのだろう。
俺は今まで、何をしてきたんだ。
941: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:48:25.45 ID:eVP4bQtW0
俺はもう一度、先ほどのベンチに腰を掛けた。
泣くなよ、全部終わっただけではないか。
そうだ、これこそが省エネではないか。
942: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:49:14.23 ID:eVP4bQtW0
無くなった、だけではないか。
そう思い、瞼を一瞬強く下ろした。
再び目を開けた俺に見えたのは、どこまでも灰色で……地球の果てまで行っても灰色しかなさそうな、世界だった。
943: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:50:04.96 ID:eVP4bQtW0
しかし、そんな俺にも一つだけ希望があった。
……希望と言うには少し大袈裟かもしれないが、確かに希望があったのだ。
それは、公園の周りに植えられた木や、雑草の中で。
944: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:50:39.67 ID:eVP4bQtW0
以上で第30話、最終章の終わりとなります。
最後に第30.5話、投下致します。
945: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:51:16.58 ID:eVP4bQtW0
それからは本当に、灰色の毎日だった。
俺はついに……全てを終わらせてしまったのだ。
冬休みが明け、今日は登校日。
946: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:51:45.60 ID:eVP4bQtW0
そこには、一人の女子が居た。
黒髪は背中まで伸びていて、体の線は細い。
そいつはゆっくりと振り返る。
947: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:52:13.65 ID:eVP4bQtW0
しかし、その言葉を発したのと同時に……全てが泡のように消えた。
窓際になんて誰も居ないし、俺に振り向く人も居ない。
948: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:53:09.74 ID:eVP4bQtW0
やはり、駄目だ。
……くそ、また俺は泣いてしまいそうになっている。
この涙脆さは、あいつから移ってしまったのだろうか。
1002Res/604.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。