928: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:40:56.72 ID:eVP4bQtW0
最初、か。
千反田の気になる事を解決した……最初の事件。
……事件と言うには少し大袈裟か。
929: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:41:36.60 ID:eVP4bQtW0
奉太郎「奢りだ、寒いしな」
理由になっていない理由を述べると、俺は自販機で紅茶を二本買った。
コーヒーでも良かったが、何故か少し……紅茶を飲みたくなった。
930: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:42:06.58 ID:eVP4bQtW0
える「それでは、私のお話……聞いてくれますか」
ああ、とか、分かった、とか……肯定をとにかくしたくなかった。
しかし、それでも……聞かなくては、ならないだろう。
931: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:42:58.86 ID:eVP4bQtW0
える「私が家の電話で知らされたのは……父が、倒れたとの事でした」
える「そして私は、家に帰り……病院へと向かいました」
える「お医者さんが言うには……」
932: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:43:27.15 ID:eVP4bQtW0
奉太郎「なるほど、それで話し合いの末に決まったのは……」
える「ええ、私です」
える「……当然と言えば、当然だったのかもしれません」
933: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:44:04.11 ID:eVP4bQtW0
千反田が時間が無いと言っていたのも、意味深に花言葉の話を出したのも。
スイートピーの花言葉は、別離。
934: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:44:44.70 ID:eVP4bQtW0
奉太郎「……」
千反田は、ちょくちょく俺の方を向くと笑顔になっていた。
それがどうしようも無く辛く見え、しかし俺には声を掛ける事さえできなかった。
935: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:45:11.84 ID:eVP4bQtW0
える「私も、好きです」
える「折木さんの事が、好きです」
える「他の女性の方と遊んでいるのを見るだけで嫉妬しちゃうくらいに、好きです」
936: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:45:43.35 ID:eVP4bQtW0
奉太郎「……雪、降ってきたな」
える「……ええ、そうですね」
奉太郎「……寒いな」
937: ◆Oe72InN3/k
2012/09/30(日) 13:46:12.41 ID:eVP4bQtW0
いや、今までよりももっと、近くにあって。
そのまま……千反田は俺の唇に、自分の唇を重ねていた。
実際にはとても短い間だったのかもしれないが、俺にはそれがとても長く感じた。
1002Res/604.37 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。