過去ログ - 異形使い「あなたを追ってここまで来た!」
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2012/09/17(月) 19:07:12.12 ID:P2NJ05Zwo
馬車の行く手に町の影が見えた。
荒れ果てた灰色の地平にぽっかりと浮かぶ緑色。
規模はまずまずといったところだ。
以下略
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2012/09/17(月) 19:07:43.80 ID:P2NJ05Zwo
冷たくあしらうと老人はちらりとこちらに視線をくれた。
「なんじゃティナ、機嫌が悪いの。生理か」
無言で脇腹を殴ってやる。
以下略
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2012/09/17(月) 19:08:35.67 ID:P2NJ05Zwo
賊はあの場所においてきても仲間が戻ってくれば助かっただろう。
彼らが戻ってくる可能性は低くはないはずだった。
それでもわざわざ連行したのは老人の言う通り、彼女のおせっかいだ。
以下略
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2012/09/17(月) 19:09:02.58 ID:P2NJ05Zwo
続きます
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2012/09/18(火) 16:27:35.91 ID:BQI/53GXo
……
植物域の町に入ってまず感じるのは、足下の踏み心地の変化だ。
荒野の粗い砂粒と違い、土がしっとりとした感触を足の裏に返してくる。
以下略
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2012/09/18(火) 16:28:21.36 ID:BQI/53GXo
「なんでこんな辺鄙なところに異形部隊が……」
「視察か?」
「お役人サマの示威活動ってやつだろう……」
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2012/09/18(火) 16:29:26.04 ID:BQI/53GXo
要するに、常人たちは異形使いが怖いのだ。
その昔は異形狩りと呼ばれる迫害が頻発していたと聞いたことがある。
国が異形使いの人権を明確に規定し、彼らを集めた異形部隊と呼ばれる組織を発足するまでそれは続いたとか。
以下略
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2012/09/18(火) 16:30:44.59 ID:BQI/53GXo
公舎にて。
賊を引き渡して、それから与えられた部屋に一旦入る。
旅の疲れを癒すためだ。
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2012/09/18(火) 16:31:34.91 ID:BQI/53GXo
罪人の名はアルベルティーナ・フローリオ。
罪状は大量殺人。小さな町一つを壊滅させた、とある。根幹異形の使い手とも。
異形使いに宿る異形は人によってさまざまだ。
以下略
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2012/09/18(火) 16:32:47.58 ID:BQI/53GXo
部屋には小さいが姿見も掛かっている。ちょうど彼女の正面だ。
手配書の似顔絵と瓜二つの顔がそこに映っていた。
ただし、手配書の少女と違い、髪は短く切ってある。
以下略
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2012/09/18(火) 16:33:41.50 ID:BQI/53GXo
「お前さん、なにしとるんじゃ。顔芸の練習か?」
「別になんでもないわよ。出てって」
ぶっきらぼうに返す。と、老人は続けた。
「そうはいかん"アルベルト"、仕事じゃよ」
以下略
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