42: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:02:51.54 ID:nlsr789Z0
少年の姿を確認するや静まり返るクラスメイト。沈黙の重みが少年の足取りを臆病にする。
少年(か、帰りたい……)
「馬鹿げたことを抜かすな! ここで踏ん張れば恐ィものなしだ!」
43: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:07:22.73 ID:nlsr789Z0
「こィつ、復讐するつもりか!」
少年(どどどどうしようシン〜)
「大丈夫だ、少年。
44: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:08:19.21 ID:nlsr789Z0
さして面白みのない他愛ないことだったが、
緊張していた糸が切られたギャップからかクラスメイトがちらほら笑いだす。
少年「そ、そうだね、ごめんね、男くん」
45: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:11:04.40 ID:nlsr789Z0
「ほら、少年。ここで友達になってねとィえれば完璧だぞ」
少年「いいい言えないよお」
男子「なにがだ?」
46: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:12:26.14 ID:nlsr789Z0
赤らめた頬を少年に気取られまいと顔を逸らす男子生徒の右手を、
少年は両手で握って大きく上下に振った。
少年「うんっ、うんっ、うんっ! と、ともだち、だねっ!」
47: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:14:01.18 ID:nlsr789Z0
それから二週間も経過すれば、少年の取り巻く環境は一辺していた。
男子「お前昨日のジャングル大サーカス見た?」
少年「見たよー。凄かったよねー、ライオンが火の輪を小便で消した時は笑っちゃった」
48: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:15:13.84 ID:nlsr789Z0
「少年、そろそろ動ィてみたはどうだ?」
少年(今授業中だから後にしてよ)
「嫌だ。聞き入れなィならまたThe Medal Songを歌うぞ」
49: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:16:48.76 ID:nlsr789Z0
「隠してィるつもりはなかったかもしれなィな。無意識に押し込めてィたか。
しかし少年。君の気持ちは痛ィ程に解って――冷たっ」
少年(うう……そうだよね、女さんに謝らなくちゃいけないのに……。
最低だ、僕は……)
50: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:18:01.99 ID:nlsr789Z0
男子(なあに泣いてんだあいつは)
教師の授業も半分程度に、男子生徒は少年の様子に気づく。
男子(最初は怒って、今度は笑って、今は泣いてか。
51: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:19:31.26 ID:nlsr789Z0
少年「え、っと……保健室行かないの?」
男子「行っても保健室のババアが追い返すからなあ。最上階行こうぜ。あそこなら静かだ」
「ぜえ……ぜえ……ようやく、マシになった、か……」
52: ◆QkRJTXcpFI[saga]
2012/11/30(金) 18:20:37.04 ID:nlsr789Z0
そこでようやく男子生徒がなぜ自分を連れて教室を出たのか思い当たり、少年は感謝を述べた。
小さな気恥かしさを覚えながらも、少年は想い人とのことについてつらつらと語る。
男子「あー、そりゃやっちまったな」
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