79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:30:18.84 ID:c0RIlJVf0
私にもたらされた天啓はそれだけではなかった。
ポケットの中身をひっくり返した時、なにかがこぼれ落ちるのを感じる。
チャリンと、軽い響きが耳に届いた。
「……鍵? これはどこの――!」
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:37:17.10 ID:c0RIlJVf0
レッスンルームに入るなり私はパソコンを立ち上げ、プロデューサー君の作った楽譜とやらを死にものぐるいで探す。
イヴが歌ったというファイルもだ。
そして同時に、海外にいた頃一緒に仕事をしていた盟友に、久方ぶりの電話をかける。
「やぁジニー、久しぶりだな。メリークリスマス」
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:39:31.99 ID:c0RIlJVf0
時刻は朝8時半。
始業時刻にはまだ早いが、私はそんなことを気にする余裕もなく、収録した曲の編集に掛かりきりだった。
焼いたケーキはきっかりデコレーションまでして、保冷剤と一緒に箱に入れ、すでにイヴの寝ている休憩室のテーブルに置いてきた。
これで一日遅れながらも、誕生日プレゼントはなんとか準備できたことになる。
そして、今編集の終わったCDを焼き上げ、盤面にしっかりメッセージを書き、CDプレイヤーに突っ込んで何か間違いがないか確認し――
82:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/27(木) 15:46:16.09 ID:c0RIlJVf0
「ヒィッ!? き、木場さん!?」
「あぁっ、すまない幸子――え? なんで笑いながら泣いてるんだ?」
……急に開いた扉に誰かが驚いたかと思って声の主を見ると、そこにいたのは普段より特別おしゃれをした幸子だった。
最高の笑顔を浮かべながらむせび泣き、真新しいネックレスを握って離さない。
83:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/27(木) 16:29:04.62 ID:c0RIlJVf0
こんな中途半端な所で申し訳ありません、事情により投下を一時停止します
夜にでもまた続きを投下します
84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/28(金) 22:23:48.51 ID:VPtw03IO0
な、なんて男前なサンタなんだ……っ!
これは惚れる……っ!!
85:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2012/12/28(金) 23:39:23.78 ID:MuwTAkC/0
なぜここで止まってるし
マジで続き気になるから作者帰ってこい頑張れ
86:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:10:40.12 ID:3mvhgf9F0
本当にすいませんお待たせしました
今から投下します、残り少ないのでお付き合いいただければ幸いです
87:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:15:33.57 ID:3mvhgf9F0
「あ、木場さんおはようございます!今朝誰かがここでケーキを作ってたみたいなんですけど、何か知りませんか!?」
「……サンタさんが勝手に作って食べちゃったんじゃないかな」
「は、はい!?」
階を上がっていくと、ちょうど3階の階段でかな子に出くわし、いきなり食って掛かられる。
88:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:18:37.31 ID:3mvhgf9F0
「そういえば仁奈はずっと4階にいたのか?」
「10分ちょっと前に来ましたです。そこのテラスに用があったですよ」
「用?」
イヴの寝ている休憩室へ向かう途中、話を聞いてみるとやはり仁奈は少し前からテラスにいたらしい。
89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2012/12/29(土) 22:20:35.18 ID:3mvhgf9F0
「……まだ寝ているな?」
仁奈がほんの少し立ち入ったという話だが、特に休憩室には異常は無い。
イヴも相変わらずぐっすりのようだ。ブリッツェンまでもが寝入っていた。
“あの曲”のCDを、ケーキの箱の上にそっと置く。これでクリスマスプレゼントの方も、準備完了だ。
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