過去ログ - 安価でシークレットゲーム6
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876:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:53:07.76 ID:868/ISGe0
太陽の姿はまだ確認できていないが、空が白み、木々に付けられた頼りない電球など必要としない程に周りは明るくなってきた。
プログラム本部である小中学校からは真西に位置するE=02エリアも緑が多いが頭上に茂る葉の間から薄い青色が確認でき、周りの景色を確認することができるようになってきていた。
学校の周りに比べれば木々が少なくて周りの状況を確認しやすいこの場所は、更に西へ行けば島の端に出るからか、そよぐ風には僅かに潮の香りが混ざっている。
地図によればあと数十メートル西に行くと森が切れて原っぱになっており、御神島の周りをぐるっと1周している道路に行きつくらしい。

以下略



877:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:53:44.81 ID:868/ISGe0
『選ばれたのが雅哉で良かった』、そう思っていることだろう、両親も、他の親族も。
そして、兄も。


雅哉には3つ年の離れた兄がいる。
以下略



878:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:54:34.42 ID:868/ISGe0
そんな雅哉がもう家に帰って来ないかもしれないという事実に、あの家族が心の底から悲しむはずなどないのだ、むしろ帰って来なければ良いと思っているだろう。
それならば、とっととこんな人生を終わらせてしまえばいい。
生まれ変わって新しい人生を謳歌する方がよっぽど良い。

これだけうだうだと考えるのなら自殺でもすればいいのだが、ところがどっこい雅哉に支給された物は扇子だった。
以下略



879:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:55:11.21 ID:868/ISGe0
そんな智子こそが、雅哉の命をも握るチームリーダーだ。
智子が自らの腕のリーダーの印を見た時の錯乱の仕方は凄まじかった。
普段は物静かな智子が、「わたしなんかがみんなの命を背負うなんてできるはずがない、誰かわたしを殺して!!」と、珍しく感情を爆発させ泣き喚いていた。
メンバー全員で動きを抑えて宥めて、ようやく大人しくなった。
今も時々泣いているのは、その重圧に耐えかねてのことだろう。
以下略



880:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:56:04.68 ID:868/ISGe0
上から降ってきた女子の声に、雅哉はほっと胸を撫で下ろした。
雅哉のことを愛称で呼ぶ奇特な女子はクラスにたった1人しかおらず、その1人こそが雅哉と智子と運命を共にする同じチームの一員なので。
雅哉は自分の頭を押さえつける圧力が弱まったのを感じると、押さえつけていた何か(まあ、足だな。靴で踏まれた感触だ)を振り払うように無理やり起き上がりつつ首を捻って足の主を見た。

「…ちょっとさー、スカートの下にショートパンツ履くのやめよーぜ、つまんねー。
以下略



881:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:56:37.63 ID:868/ISGe0
余談だが、早稀のことも口説いたことがあるのだが、「軽い男とかサイテー」と一蹴された上に、顔面にパンチを喰らった。
一時期喧嘩に明け暮れていたらしい、という噂のことを忘れていたので完全に油断していたために、左頬に出来た痣は暫く消えなかった。

「…何も変わったことはなかったか、芥川」

以下略



882:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:57:05.50 ID:868/ISGe0
身体が弱いので、今のように長時間外にいて不規則な生活をすれば恐らくすぐに熱を出すだろうし、例えば誰かに襲われたとしても走ることができるのは僅かな距離で、それ以上は身体がもたない。
なんという足手まとい、我ながら笑える弱さ。
こんな自分と同じチームだなんて、皆超ハズレくじ引かされたんだな、カワイソウ。

「…やっだ、そういうことは早く言ってくんなきゃ!!」
以下略



883:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 07:57:38.98 ID:868/ISGe0
「よし、マサ、あたしと迅はアンタと智子を護るから!
 だからアンタは、智子をしっかりしっかり、しーっかり護ること!!
 男らしく、姫を護る王子になんなきゃね!!」

何故か早稀のテンションが急に上がり、雅哉は顔をしかめた。
以下略



884:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 08:00:08.98 ID:868/ISGe0
誰だ、あたしを撃ったのは!

水田早稀(女子十七番)の左肩に激痛が走った。
芥川雅哉(男子二番)の叫び声、奈良橋智子(女子十二番)の悲鳴、日比野迅(十五番)に抱き起こされた感覚――全てが自分から遠いもののように感じる程に、早稀の中では怒りの感情が迸っていた。

以下略



885:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/08/05(月) 08:01:19.25 ID:868/ISGe0
早稀の後頭部に何かが押し付けられた。
髪を通してチリチリと熱さを感じる、硬い何か――早稀はごくりと唾を飲み込んだ。
あくまで永佳からは目を逸らさなかったのだが、全神経が後頭部に集まっているかのような感覚だ。

「…へぇ…じゃあ、あたしにボコられるのは、アンタなわけ?
以下略



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