181:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:26:39.57 ID:7LnCOhGJ0
「だから、今日が卒業式なの」
急に、美希が響を放した。
「えっ―――卒業式?」
響が、不思議そうに首を傾げた。
貴音は、まだ響の髪を撫でている。
182:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:28:40.91 ID:7LnCOhGJ0
本番を二週間後に控えた日の夜、ジュピターの北斗と翔太は961プロの社長室を訪れていた。
「仕上がりは順調か」
黒井は、二人には目をくれず、デスクの上に置いたオセロを一枚ずつめくっていた。
「何しにきた」
183:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:30:44.57 ID:7LnCOhGJ0
「冬馬は知っているのか?」
「たぶん知らないよ。知ってたら、この事務所辞めてると思うし」
翔太の言葉に、黒井の肩がピクッと動いた。
「冬馬君、曲がった事が大嫌いだもん。
184:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:32:46.18 ID:7LnCOhGJ0
「いち、にぃ、さん―――――!」
組の若衆が作ってくれた自分専用のレッスン室で、雪歩は今日も汗を流していた。
仕上がりは悪くない。
皆で歌う曲は、これから行われる合同練習で最終調整をしていけば良い。
185:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:34:51.10 ID:7LnCOhGJ0
ふと時計を見ると、夜の11時を回っていた。
雪歩は、慌てて片づけを行い、レッスン室を出た。
「あっ――」
部屋を出た瞬間、組の若頭の背中が目に飛び込んできた。
186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:37:23.07 ID:7LnCOhGJ0
「うっうー! 小鳥さんお茶ですー!」
二人だけが残った夜中の事務所に、やよいの元気な声が響いた。
デスクにお茶を置いた後、小鳥が礼を言うよりも早く、やよいはパタパタと給湯室回りの掃除に向かった。
「やよいちゃん、お茶を淹れるのが上手になったわねぇ」
187:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:40:59.65 ID:7LnCOhGJ0
「雪歩さんの本当に、け―――けんき、な――?」
「“けなげ”な、ね」
「あ、はい! えーと、健気な姿勢には、すごくいやされます。
私の父も、か、かいご、よく―――?」
「“ひごよく”って読むのよ」
188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:42:44.73 ID:7LnCOhGJ0
【10】
プロデューサーが、血溜まりの中にうつ伏せで倒れている。
その横で、美希がまっすぐにこちらを見上げている。
189:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:44:02.25 ID:7LnCOhGJ0
――雪歩―――!!
突然、自分を呼ぶ声が聞こえ、雪歩は振り返った。
見ると、遠くで何かが光っている。
190:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/03/24(日) 03:44:41.01 ID:7LnCOhGJ0
光が眩しい――そう思った時、雪歩は自室で目を覚ました。
まだ夜が明ける前だった。
自分が見たかった夢の続きは、今日見られるはずだ。
雪歩は、身支度を整え始めた。
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